共同開発「防衛装備品輸出」 態度硬化と「山口代表訪中」は関係ない 公明党・石井幹事長

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公明党の石井啓一幹事長が12月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。防衛装備品の輸出ルール見直しについて語った。

中国の王毅共産党政治局員兼外相(右)と握手を交わす公明党の山口那津男代表=2023年11月23日、中国・北京の人民大会堂[代表撮影] 写真提供:時事通信社

中国の王毅共産党政治局員兼外相(右)と握手を交わす公明党の山口那津男代表=2023年11月23日、中国・北京の人民大会堂[代表撮影] 写真提供:時事通信社

他国と共同開発した装備品の第三国への輸出は、これまでの武器輸出のあり方から大きくはみ出してしまう

飯田)日本はイタリア・イギリスと次期戦闘機を共同開発する方針ですが、他国と共同開発した装備品の第三国への輸出に関し、公明党の姿勢が12月に入って急に硬くなったというような報道もあります。実際のところ、どうなのでしょうか?

石井)まだ決定されたわけではありませんが、イギリスやイタリアと次期戦闘機を国際共同開発する方針です。戦闘機は開発経費が掛かりますし、一国で行うよりも複数の国でやった方が経費削減になります。また、それぞれの国がつくれば製造コストも下がるので、そういう観点からスタートしました。

飯田)共同開発すると。

石井)共同開発する相手国は仲間ですから、部品はもちろんのこと、完成品に関するやり取りがあってもいいとは思います。しかし、共同開発の国を越えて、その他の国に完成品である戦闘機を輸出するとは、おそらく国民の皆さんも思っていないのではないでしょうか。

飯田)第三国への輸出は。

石井)党内でも、そういう議論が行われていることを大半の議員が知らなかったわけです。ですから改めて党内で議論した結果、完成品の第三国輸出は、これまでの武器輸出のあり方から大きくはみ出してしまうと考え、国民の皆さんへ丁寧に説明する必要があると感じました。「慎重に進めなければいけない」という方向性の対応です。

公明党の態度が硬化したのは山口代表訪中とは関係ない ~第三国に完成品を輸出することは慎重に議論しなければならない

政策アナリスト・石川和男)確かに武器をつくったり、どこかに輸出するのは微妙なラインの話で、軽々に決めるものではないという考えはよくわかります。しかし、一応は与党全体で合意したものに関して、急に公明党が態度を硬化させた。その経緯の1つとして、どうも山口代表が中国を訪問した前後に変わったのではないかと思えるのですが。

石井)それは事実関係としてありません。(防衛装備品の輸出ルールについては)自公のワーキングチームにおいて、ごく一部のメンバー内で議論していましたが、それは我々の党の意思決定プロセスにかかっていない文書だったのです。ですから、そこで正式に合意したということはありません。いま、意思決定しなければいけない段階にあり、党内で改めて議論した結果、やはり第三国への完成品の輸出は慎重に議論する必要があるという方向性になっています。

石川)確かに、党にもいろいろな組織があって、いろいろな方がいるのはわかります。しかし、自公の上のレベルでは概ね合意していたものが、あとからひっくり返ったとなると、自民党は怒っているのではないでしょうか?

石井)まず、ワーキングチームの方で議論していたということです。

飯田)まだ議論中だったのですね。

石井)途中経過だったものが……。

飯田)なるほど。

連立与党で合意したのであれば、そのまま進めなければ国民が戸惑ってしまう

石川)幹事長は中心にいらっしゃる方なので、「党内手続きを踏んでいなかった」などと歯切れが悪かったのは、党内で本当に揉めているのではないかと思います。

飯田)党内で。

石川)連立与党なので、自民党は自民党できちんと進めていたわけですから、自民党は「え?」という感じだと思います。こういうことはよくないと思うのです。国民の目から見て、政権の支持率も低空飛行ではないですか。連立与党内でこういう状態になると、「与党にも亀裂か?」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。税(減税)が決まって、来年(2024年)の国会に法案を出すという時期に、政権がバタバタするのはよくありません。きちんと「合意した」という方向で進めていただかないと、我々も「どっちなのだ?」と困ってしまいますよね。

飯田)共同開発国の1つであるイギリスでは、「他国に売れないのか?」ということが懸念材料になっているという話も聞きます。

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