先行き不透明なアメリカの「ウクライナ支援」
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元内閣官房副長官補で同志社大学特別客員教授の兼原信克が12月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。今後のアメリカのウクライナ支援について解説した。
米上院がウクライナへの軍事支援を含む大型支出法案を否決
飯田)ウクライナ情勢に関し、ねじれ議会の影響でアメリカの支援が少しスタックするのではないかと言われています。どう見たらいいですか?
兼原)これは普通の国会のディールです。日本も同じなのですが、全然関係ない話でくっつくのです。「移民対策をしっかり行わなければウクライナにお金をやらない」と共和党がごねていて、バイデン大統領は「どうしようもない」と言って怒っている。そんな状況なのですが、政治は政治であり、理屈は関係ないですから。ここにウクライナの「生き死に」がかかっていると思うと、ウクライナがかわいそうですよね。
2024年は世界的に厳しい年になる
飯田)来年(2024年)は大統領選もありますし、尾を引くことになりそうですか?
兼原)あの国は、4年に1回壊れるのです。アメリカは超大国ですが、選挙戦が始まると全部止まってしまうし、ありとあらゆることが政治イシューになります。理屈通りに物事が動かなくなる。来年にはウクライナ戦争も山場、千秋楽になってきますが、思ったほどウクライナ側の星が伸びていません。バイデンさんも選挙一色になってきて、トランプさんに追い立てられ、ヨーロッパも戦争疲れが見えているので、来年は厳しいと思います。
飯田)一気に様相が変わるかも知れない。
兼原)日本も少し政治が揺れているし、台湾も韓国も選挙です。プーチンさんはおそらく圧勝しますが、もし秋の大統領選挙でトランプさんが勝ってしまうと、また「ガラガラポン」になると思います。
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