ジャーナリストの須田慎一郎が1月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。政治資金規正法違反の疑いで自民党・安倍派の池田佳隆衆議院議員が逮捕された政治資金パーティーをめぐる裏金事件について解説した。
池田衆議院議員逮捕は本線ではない
飯田)自民党・安倍派の池田佳隆衆議院議員と政策秘書が、政治資金規正法違反の疑いで逮捕されました。「どこかで議員の逮捕が出るのではないか」と言われていましたが、まずはこの人というところですか?
須田)政治資金規正法違反は、政治資金収支報告書の会計責任者が一義的に刑事責任に問われるものです。議員逮捕に至るまでは、かなりハードルが高いと言われていましたが、意外とスピーディーに逮捕されました。池田議員が主導して、証拠隠滅を指示していたからだとされています。政治資金に関する事件だと、通常は略式起訴や在宅起訴で、逮捕の対応は異例です。ただ、証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合は、今回のように逮捕されるのだと思います。
どのような仕組みで、誰の指示で違法な派閥が窓口になって還流を行ったのか
飯田)この先、国会も間近に迫っているなかで、次は誰なのかが注目されますが。
須田)私が取材したところによると、ノルマを超えて販売したパーティー券収入に関しては、派閥とその議員の取り分が折半なのです。
飯田)50%。
須田)ただ、一部には派閥に報告せず、すべてを自らの政治団体・政治資金団体で管理するというケースが1億円あったものですから、総額約11億円。うち約5億円が派閥、うち約5億円が議員個人への還流分、そして1億円が派閥に届けなかった分という建付けのようです。今回のケースは、本線はあくまでも、派閥が窓口になっている還流分に関する裏金疑惑なのです。
飯田)今回のケースは。
須田)池田議員の場合は、還流してきた部分が不記載になっていたということで、サイドの部分なのです。メインは「派閥がどういう経緯、どういう仕組みで、誰の指示で違法な還流を行ったのか」ということで、ここが今回の事件の焦点です。そうすると、もちろん派閥の会計責任者もそうですが、そこに留まらず、誰が指示を出し、了解したのかというところで、事務総長の名前が上がってきたという状況です。
中止の指示を出した安倍元総理のあとに復活させ、指示を出した事務総長
飯田)会計責任は事務局長など、議員ではない事務方になりますが、そこに事務総長や議員が絡んでくるとなると、名だたる幹部、閣僚経験者、事務総長経験者が並んでいますよね。
須田)ポイントは、2022年5月に当時の派閥会長だった安倍さんが、中止の指示を出していることです。しかし、その年の7月に亡くなられたあと、それが復活していった。「違法だから止めたのですよね」と、ここで違法性の認識があるけれど、それを再開したということは、明らかに違法行為だとわかって行われていたのではないかと思います。
飯田)その上で指示を出した。
須田)指示を出したのは誰なのか。当時の事務総長は高木毅さんで、その前任が西村康稔さんです。この2人が動いた、あるいは指示を出した経緯があるのではないかというのが、特捜部の見立てです。
飯田)その辺りの大物にまでいくのかどうか。
派閥に残った5億円はどこに流れ、誰が使ったのか
須田)まったく報道ベースに上がっていないのですが、問題は派閥に残った5億円です。一体どこに流れたのか、誰に渡したのか、誰が使ったのか。
飯田)それも帳簿に載っていないとされています。
須田)それが私的利用であれば、脱税という形になるでしょうし。
飯田)「政策活動費だった」という説明になるのでしょうか?
須田)ただ、政策活動費にするためには、原資が政党交付金でないとダメなのです。これはあくまでも政治資金パーティーによる収入ですから。
飯田)その辺りもあまり報じられていないですね。
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