ダイハツ不正 国交省、3車種の型式指定取り消しへ 「長年、新規参入を阻止してきた制度。世界的な変化のスピードに対応できるのか」辛坊治郎が疑問呈す

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キャスターの辛坊治郎が1月16日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。ダイハツ工業が自動車の大量生産に必要な「型式指定」の認証申請を巡り不正をしていた問題で、国土交通省が同日、3車種の型式指定の認証を取り消す方針を明らかにしたことに触れ、「型式指定は日本で長年、新規参入を阻止してきた制度だ。このままで世界的な変化のスピードに対応できるのか」と疑問を呈した。

ダイハツの店舗=撮影日 2023年12月20日午後、大阪市内 写真提供:産経新聞社

ダイハツの店舗=撮影日 2023年12月20日午後、大阪市内 写真提供:産経新聞社

自動車メーカーのダイハツ工業が国の認証を不正に取得していた問題で、国土交通省は3つの車種で特に悪質な不正行為が確認されたとして、大量生産に必要な「型式指定」を取り消すと明らかにした。

辛坊)この「型式指定」の制度が日本で長年、新規参入を阻止してきました。つまり、「型式指定」によって日本では新たに自動車メーカーが生まれてこなかったわけです。

日本の自動車メーカーが国土交通省から型式指定を取ろうとすると、さまざまな衝突実験を行う必要があります。このため、莫大なコストがかかることから、新興メーカーにとってハードルはかなり高いです。

一方、既存の自動車メーカーにしてみれば、型式指定の制度があるがゆえに、新興メーカーの誕生を抑えられているというメリットがあります。日本の自動車メーカーは長年、型式指定によって構造的に守られてきたわけですから、正面切って「今どき、型式指定なんて必要か?」という論争にはなりません。不祥事などを起こした際には、「今回は悪うございました」と国交省に頭を下げたほうが、長期的には得だということです。

アメリカに話を移します。アメリカの自動車製造にも基準があります。ただ、アメリカでは自動車メーカーが役所の示す基準を守らず事故などが起きた場合、自動車メーカーは莫大な賠償金を支払わされます。ですから、基準はきちんと守られるわけです。

今、世界的には電気自動車のように簡単な構造で製造できる車がありますから、中国をはじめとして新しいメーカーが次々に参入しています。こうした流れの中、日本のような型式指定という制度の下、これまでの護送船団方式のままでいいのでしょうか。世界的な変化のスピードに対応できるのか疑問です。

かつて日本とアメリカで販売された同じ車種で、アメリカで売られたほうが安全装置を多く付けられていたケースがあります。ですから、日本の基準が世界的に見て特別に厳しいとは一概に言えません。

いずれにせよ、今回の不正に関して「型式指定を取り消します。でも、売られている車については今まで通り乗ってもいいです」と言われるのは、すごく矛盾を感じます。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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