ジャーナリストの須田慎一郎が1月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮が主張する日本海での「水中核兵器実験」について解説した。
北朝鮮が日本海で「水中核兵器実験」の実施を発表
北朝鮮国防省は1月19日、開発中の水中核兵器システムの重要実験を日本海で行ったと発表した。実験の日時や詳しい内容は公表していないが、日米韓3ヵ国による海上共同訓練への対抗措置だと主張している。
須田)本当に実験を行ったかどうかはよくわかりませんが、「核兵器を使うぞ」と威嚇するのは、かなり危険な兆候だと思います。ただ、一方で北朝鮮のミサイル実験や発射、あるいは今回のような核兵器の実験には、必ず1つのパターンがあります。
日米韓の共同訓練が「いつ軍事行動に発展するか」を恐れている裏返し
須田)必ず日米韓の共同訓練を中心とする米韓の訓練が行われると、その直後、あるいは直前に(北朝鮮の)実験や訓練が行われます。対抗措置なのは間違いありません。
飯田)対抗措置。
須田)北朝鮮サイドとして考えると、こういう軍事訓練は軍事行動を起こす一歩手前の状況にも受け取れますから、「いつ共同訓練が軍事行動に発展するか」を相当恐れているのだと思います。その裏返しなのでしょう。
金正日氏が「南北統一」と連邦制を掲げていた政策から大きく変わってきた
飯田)金正恩氏の演説では韓国をかなり批判する一方、「統一」ではなく「敵対する国」と表現が変わりました。
須田)「敵対する」という言葉と「国」という言葉。1つの勢力ではなく、国という存在に認定した点で言うと、金正恩氏の父である金正日氏が「南北統一」と連邦制を掲げていた政策から大きく変わってきた。つまり北朝鮮にとっての軍事的脅威であり、あるいは「軍事的な侵攻が予想される」という形に変わってきたのだと思います。
飯田)尹錫悦政権になって、韓国の政策が変わったことも関係するのでしょうか?
須田)政権交代だけでなく、「連邦制」という平和的な統一が選択肢として消えてしまった。尹錫悦政権だからではなく、問題解決を急ぎつつあるのではないでしょうか。「止めたければ、とにかく北朝鮮に対して賠償も含めて経済支援しろ」と要求している。そう見るべきではないかと思います。
飯田)経済的に苦しく、切羽詰まっている状況もあるのですか?
須田)それもあると思います。
飯田)北朝鮮はいろいろ実験などを行って、何とか振り向いて欲しいのでしょうか。
須田)ただ、訓練や実験を行うことで、経済的にもそちらに資源を渡すわけですから、ひっ迫していることも間違いないでしょうね。
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