数量政策学者の高橋洋一と外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が1月30日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。11月の大統領選で再選を目指すバイデン大統領について解説した。
米民主党が歴代大統領トリオで資金集めを検討
米NBCテレビは、2024年11月の大統領選挙で再選を目指す民主党のバイデン大統領の陣営が、オバマ元大統領、クリントン元大統領と一堂に会する資金集めの会合を春に開催することを検討していると報じた。バイデン陣営は共和党の候補者指名争いで独走するトランプ前大統領との再対決を想定し、会合を通じて資金集めを加速させたい考え。
飯田)「歴代大統領トリオ」のなかで、いちばん年上はバイデン氏だそうです。
宮家)81歳ですね。トランプさんが共和党の指名を得るのは確実です。だからと言って、本選で勝つ保証はありません。アメリカ大統領選挙は全土で戦うので、とてつもないお金が掛かるわけです。バイデンさん1人では集められません。特にオバマさんは人気が高いので、そういう意味ではオバマさんを巻き込む。そしてクリントンさんも巻き込み、オール民主党でお金を集めたいのでしょうね。危機感の表れだと思います。
バイデン大統領とトランプ前大統領の「81歳対77歳」の戦い
高橋)バイデン大統領がいちばん年上なのが、なかなかですね。バイデンさんでは難しいから、最後の最後にオバマ夫人が出るという話もあります。本当かどうかは知りませんが。
飯田)ミシェル・オバマ氏ですね。
高橋)インターネット上にバイデン大統領の失言を集めたサイトがあります。それを見ると、やはり失言が多いですね。トランプさんのことを「マイ・プロフェッサー」と言うなど、思わず笑ってしまいました。あとはトランプさんのことを「現職の大統領」と言ってしまったり。私も見たくらいですから、アメリカ人も見ているのではないでしょうか。アメリカ人の感覚で80歳というのは、仕事をする年齢ではないと思います。
宮家)トランプさんも77歳ですよね。77歳と81歳でしたら、あまり差がないと思います。あとは「若いか若くないか」だけですから。
飯田)体力面などで。
高橋)個人差が出ますよね。バイデン大統領の失言集を見てしまうと、正直なところ「お笑いなのではないか」と思いました。
飯田)トランプさんもトランプさんで「ナンシー・ペロシ」という名前がなかなか出ず、ずっと「ニッキー・ヘイリー」と言っていたこともありましたね。
宮家)日によって、状況に応じてね。
飯田)調子のいい悪いがあるのでしょうか?
高橋)それが世界のトップになったとしたら、焦ってしまいますよね。
日本にとってはバイデン大統領であれば予測は可能
高橋)日本はどちらになっても対応できるのでしょうか?
宮家)どちらになっても対応しなくてはいけません。バイデンさんの場合なら同盟国重視ですので、これがいいとは言いませんが、予測可能です。問題はトランプさんが当選した場合で、予測不能になりかねない。しかも復讐心に燃えていますし、同盟国が大嫌いです。日本がなぜ(トランプさんと)うまくいったのかと言うと、安倍晋三さんがいたからです。
高橋)現在はいないですよね。誰か代わりができる人はいるのですか?
宮家)トランプさんとの関係性で言えば、安倍さんの代わりになる人はいません。だからみんな困るのです。
トランプ氏再選となれば、2期目は誰の話も聞かないのでは
宮家)どちらがいいかと言われたら、現状維持の方がまだいいです。トランプさんが勝ってもおかしくないですが、いまは圧倒的な勢いを持っていても、本当に本選で勝てるのかどうか。この間、女性への性的暴行をめぐる裁判で、約123億4000万円というものすごい額の賠償金を払うことになりました。それ以外にも、刑事裁判を含めて4つの裁判を抱えていますので、裁判の行方いかんではトランプさんの岩盤支持層の問題ではなく、「無党派がどちらに流れるか」が大きなポイントになる。それは裁判の結果次第だと思います。
飯田)裁判の進み方次第となると、トランプ前大統領の陣営からすれば「俺たちの選挙を妨害しているではないか」「公権力によって選挙を妨害するなど、民主主義が乗っ取られているではないか」という話になりますよね。どちらに転んでも難しいですか?
高橋)2期目になると自信をつけるのです。安倍さんも「1期目より2期目の方が自信がついた」と言っていましたが、トランプさんが自信をつけたら大変です。誰の話も聞かなくなってしまいますよ。1期目でも聞かなかったのですから、2期目は誰の話も聞きそうにないです。
宮家)過去8年間で反対した人は……。
高橋)みんなクビです。
飯田)トランプ氏の1期目は、マティス氏やマクマスター氏が支えていました。
高橋)外交面では安倍さんがアドバイスしていたけれど、いまはいないですよね。どうするのでしょうか?
飯田)岸田さんは外務大臣の時代、トランプ政権とも向き合ってはいましたが。
高橋)でも先日、麻生さんが行っても会えませんでしたよね。
飯田)年明けに麻生氏が訪米し、トランプ氏の陣営とは会えましたが、トランプ氏とは会えなかったようですね。
高橋)会えなかったようだという話は聞きました。
宮家)裁判で忙しかったのではないでしょうか。
この記事の画像(全1枚)
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。