利下げは7月以降か 米「FOMC議事要旨」公表
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが2月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。FRBが公表した1月開催のFOMC議事要旨について解説した。
尚早な利下げに懸念を示すFRB
飯田)1月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表されました。早期の利下げには慎重な意見が相次いだと報道されています。
クラフト)1月のパウエル議長の記者会見通りの内容です。ハト派的な内容を期待した市場にとっては、残念な結果になりました。しかし、常識的なところではないでしょうか。
利下げは7月以降か
クラフト)当初、3月の利下げで年6回とされていたものが、現在は6月の利下げで年4回まで修正されています。現状、5月の金利先物から算出した市場の政策金利の織り込みなのですが、5月での利下げ確率は30%。あるいは68%の確率で現状維持が予想されています。
飯田)現状維持。
クラフト)6月の利下げ確率は51%、0.25%の利下げと市場は織り込んでいますが、直近の景気データ、特に1月会合後のデータを考慮すると、FOMCはより慎重になっている可能性があります。3月はあり得ないし、5月も難しい。今後のデータ次第ですが、6月も個人的にはどうかなと思いますね。
飯田)さらに後ろ倒しとなると、年の後半ですか?
クラフト)従来は7月と言っていますが、今後のデータ次第によっては、7月ですらずれる可能性はあると思います。
量的緩和については3月から議論を本格化する
クラフト)もう1つ注目されたのは、FOMCが持っている資産の縮小、いわゆる量的緩和です。これも早めるのではないかという期待はあったけれど、まったくそのようなそぶりはなく、一応、3月から議論を本格化するというところに留めました。これも緩和材料にはならず、ハト派にとってはゼロ回答のFOMC議事録だったと思います。
飯田)いまのところダウの数字や為替を見ても、さほど市場は反応していない。
クラフト)当初、これが発表されたときは株価が200ドル近く下落したのです。ただ、半導体大手エヌビディアの決算に期待が移って買い戻され、結果としてあまり材料にはなりませんでした。
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