二松学舎大学国際政治経済学部・准教授の合六強が3月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。発生から2ヵ月が経過した能登半島地震について解説した。
能登半島地震から2ヵ月
飯田)元日に起きた能登半島地震の発生から、3月1日で2ヵ月となります。石川県内では241人が死亡し、うち災害関連死も15人を数えます。仮設住宅等々もこれからです。
災害関連死が増えていく傾向にある ~仮設住宅を早く、多く建てるべき
合六)災害関連死は15人ですが、過去の地震を見ても、これから災害関連死が増えていく傾向にあります。熊本地震のときのデータを見ると、3ヵ月以内に増えるようです。いまいろいろな理由から、車中泊での避難を余儀なくされている方などもいると思いますが、災害関連死につながらないかどうかが懸念されます。
飯田)エコノミークラス症候群で血栓ができる方もいますし、そうでなくても運動できる環境ではないですからね。
合六)仮設住宅をできるだけ早く、多く建てるべきです。抽選から漏れて入れない方も多いと思いますので、緊急の対処が必要になると思います。
それぞれのニーズに合わせたケアを探る必要がある
飯田)現地で活動されているNPO法人の方を取材すると、「ここから先は本当に人手が必要になる」と言います。瓦礫等々の搬出もそうですし、仮設住宅に入ったら、今度は孤立してしまう人たちが出るかも知れない。そういう人たちをイベントのような形でケアする機会なども必要だと言われます。
合六)肉体的なことだけではなく、精神的な対策も重要だと思います。また、避難されている方々は年齢層もバラバラで、もともと体調の悪い方もいます。「どこまで細かくケアできるか」が勝負になると思うので、人手もそうですし、「それぞれのニーズに合わせたケア」を探っていかないと、災害関連死が増える1つの要因になりかねないと思います。
日本のどこにいても地震災害が起こり得る
飯田)日本全体の高齢化が言われていますが、特に能登半島は、高齢化率が50%以上だそうです。災害への対応の仕方も、阪神・淡路大震災のときなどとは変わるかも知れませんね。
合六)昨日(2月29日)も千葉で連続して地震が起きましたし、石川に限った問題ではありません。日本のどこにいても地震災害が起こり得るという想定のもと、単に地震への備えだけではなく、ある種の緊急事態計画のようなものを細かく練っておかないと、いざ災害が起こったときに「あれが足りない、これが足りない」という状況になると思います。自治体だけではなく、国や個人での意思疎通を理解しておく必要があるのではないでしょうか。
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