災害時の命を守る口腔ケア 「『貴重な水がもったいない』という他人の目を気にせず、歯磨きを」専門家がアドバイス

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能登半島地震の被災地で2月、避難所生活を送る被災者らの口腔ケアを行った医療法人社団関田会ときわ病院(兵庫県三木市)歯科口腔外科部長の足立了平氏が3月12日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。災害時の命を守る口腔ケアについて、「『貴重な水がもったいない』という他人の目を気にせず、歯磨きをして」とアドバイスした。

災害時の命を守る口腔ケア 「『貴重な水がもったいない』という他人の目を気にせず、歯磨きを」専門家がアドバイス

※イメージ

能登半島地震で被災者の避難所生活が長期化する中、「日本災害歯科支援チーム(JDAT)」の歯科医師らが被災地入りし、各避難所で支援活動を行っている。断水の影響で歯磨きや入れ歯の手入れが十分にできないことから、口腔ケアがおろそかになったり栄養不足で免疫が下がったりすると誤嚥性肺炎になるリスクもあり、災害関連死につながる可能性もある。石川県七尾市の能登総合病院では、地震発生2週間で誤嚥性肺炎と診断された患者は19人となり、前年同期比で約4倍だった。

足立)災害時は水不足になるケースもあります。ただ、一般的に水が不足する期間は災害発生から3日以内といわれています。ですから、この期間は口腔ケアの必要性をあまり厳しく言わないようにしています。まずは飲用水が大切ですからね。ただ、水を飲む際には一口ぐらいは口内をゆすいで吐き出すといいです。

一方、水不足が解消したとしても、歯磨きをしない被災者が多いです。仕方のないことからもしれませんが、被災したストレスから気力がなくなり、口腔ケアをおろそかにしてしまうんです。また、歯磨きをしない理由としては、同じ避難所にいる他の被災者から「貴重な水がもったいない」と思われたくないという心理があります。しかし、「もったいない」という他人の目を気にせず、歯磨きをしてください。

辛坊)口腔ケアは命に関わるのだということをしっかりと周知徹底する必要がありますね。

足立)その通りです。国民に理解してほしいことです。そうなっていないのは、私たち関係者の努力不足なのかもしれません。

辛坊)メディアに携わる私たちの責任でもあります。ところで、少ない水で口腔ケアをするコツはありますか。

足立)水30ミリリットル(大さじ2)ほどの量があれば、その水をコップに入れて歯ブラシを浸して歯を磨きます。また、その水でうがいをします。私は個人的には自分の唾で代用してもいいと思っています。ただ、高齢者の方は誤嚥される恐れもあるため、注意が必要です。

辛坊)胃酸には強力な殺菌作用がありますから、胃の中に入る限りは大きな問題にはならないということですね。

足立)そうです。ただ、薬を飲まれている方は、胃酸の分泌を抑える薬もありますので、注意が必要です。胃を通り越して腸に届くと、腸内細菌に悪影響を及ぼす恐れがあるからです。

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辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

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[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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