ロシア政治に詳しい筑波大名誉教授の中村逸郎氏が3月18日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。ロシア大統領選に導入された電子投票を巡り、「紙での投票は踏み絵だ。投票用紙は金庫から出すのに30分かかり、投票箱は半透明で部屋の真ん中に1つだけ。一方の電子投票は手続きが面倒だが、マンションなどが抽選で当たる」と解説した。
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Presidential election in Russia final day - Moscow Electronic vote machine are seen at a polling station on the final day of a presidential election in Moscow, March 17, 2024. Photo by Yuri Gripas/ABACAPRESS.COM/共同通信イメージズ
日本時間の18日午前3時、ロシア大統領選が3日間の投票を終えた。中央選挙管理委員会の暫定集計によると、開票率約70%の段階でプーチン氏が87%以上の票を獲得している。
中村)今回のロシア大統領選には電子投票が導入されました。モスクワに住む私の友人は「書き換えられても分からない」と危惧していました。つまり、当局が不正をしやすいということです。
友人は紙で投票するつもりで投票所へ行ったのですが、係員から「投票用紙は金庫にしまってあるので、出すのに30分ほどかかりますが、待ってもらえますか」と言われたといいます。投票所の部屋の中には電子投票用のタブレット(端末)が数台置かれていたのに対し、投票箱は半透明で部屋の真ん中に1つしかなかったらしいです。要するに、紙での投票は踏み絵なんですよ。友人はさすがに怖くなり、電子投票にしたそうです。
一方、電子投票は事前登録などの手続きがとにかく面倒です。それでも電子投票をしたい人は少なくありません。理由は、州ごとに異なりますが電子投票をした人の中から抽選でマンションや自動車、パソコン、スマートフォンなどが当たるからです。