「日経平均」史上最高値更新も 「驚くような状況ではない」と専門家が言及

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テレビ東京・解説委員の山川龍雄が3月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。史上最高値を更新した東京株式市場の日経平均株価について解説した。

最高値を更新した日経平均株価の終値を示すモニター=2024年3月21日午後、東京都中央区(斉藤佳憲撮影) 写真提供:産経新聞社

最高値を更新した日経平均株価の終値を示すモニター=2024年3月21日午後、東京都中央区(斉藤佳憲撮影) 写真提供:産経新聞社

日経平均、史上最高値を更新

飯田)日経平均が史上最高値を更新しました。昨日(3月21日)も上げていましたね。

山川)そろそろ調整が入った方が、日経平均にとっていいかも知れません。我々の世界ではPER(株価収益率)という用語があります。「1株の利益に対して、株価が何倍ぐらいつけているか」というものです。日本の場合は14~16倍くらいで推移することが多いですが、いまは17倍に近付いているので、調整が入ってもいいぐらいでしょうか。いずれにせよ勢いがあります。

PERから見れば、現在の状況はバブルではない

飯田)水準としてバブル時代と比較されますが、まさにバブル当時のPERはとんでもない数字だったらしいですね。

山川)一時期は60倍ぐらいでした。逆に言うと、当時14~16倍ぐらいの水準だとすれば、30年前の日経平均は1万円ぐらいが妥当な水準だったのです。それが4万円近かったのだから、当時はバブルです。いまはバブルではない。

飯田)PERから見ると、ある程度しっかりとした評価になっている。

山川)そう思います。

わずか2%上がっただけなので、驚くような状況ではない

飯田)例えば1~2年の長期で見ると、やはり上がり調子なのですか?

山川)業績の裏付けとともに予想される利益水準が上がっていけば、株価は上がります。いずれにせよ、あまり驚くような状況ではない。それをみんな考えた方がいいと思います。30年前に比べ、NYダウは13倍ぐらいに上がっていますが、日経平均はようやく当時を抜こうとしている状況です。日経平均もいま4万円で、昨日の終値は800円上がった状態ですから、わずか2%ほど上がっただけの話です。

飯田)確かに、「800円」と言われると「おお!」となるけれど。

山川)日経平均が1万円のときに800円上がったら、8%です。私は15年ぐらい前、日本経済新聞社の証券部デスクを務めていましたが、当時は1万円台の水準だったから、1日300円上がっただけで大騒ぎしていました。でも、いまは800円上がったら「すごいな」と言いますが、2%ですから、もちろん調子はいいけれど驚くような話ではありません。

飯田)染み付いた相場観として800円上がると、1万円や1万円を切る時代の感覚で驚いてしまいますが。

ドルベースで見れば現在の上がり方はさほどのことではない

山川)いろいろなところにギャップがあります。例えば、いま外国人が主導して日経平均を上げていますが、外国人はドルベースで見ているのです。ドルベースで見るときは円安ですから、いまの上がり方を外国人から見ると、さほどのことではない。

飯田)むしろ為替が動いてしまうから、「下がった? 」と見えたりもする。

山川)基本的にドルが強いわけですから。いろいろな意味で、日本人はいまの状況を「異常」という方向で見過ぎだと思います。

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