政策アナリストの石川和男が3月23日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のエネルギーリテラシー」に出演。政府が主力電源化を進める太陽光などの再生可能エネルギーを使った発電施設建設を巡って、このところ各地で反発が相次いでいることについて「再エネを本当に増やすのであれば、再エネが立地する地元が儲かる仕組みをつくらないといけない」と指摘した。
原油など一次エネルギーの約9割を輸入に頼る日本は、ロシアによるウクライナ侵攻や円安でエネルギー価格が高騰し、電気料金が値上がりするなどの影響を受けている。これを受け政府は、エネルギーの自給率向上や安定供給のため、原発再稼働や再生可能エネルギーの主力電源化を進めている。ただ、再生可能エネルギーの大部分を占める太陽光発電所の新規建設を巡っては、各地で環境破壊や自然災害を誘発するなどとして反発が相次いでいる。
この現状について、ゲスト出演した一般社団法人エネルギー情報センター理事の江田健二氏は「よそ者の太陽光事業者がきて、自分たちの大切な土地を荒らして、その人たちがすごく儲けているらしいというイメージを持たれているのが残念。今後は、地元に利益が還元されるような再エネ施設を増やしていくことと、既存設備の保守や廃棄をきちんとやらない事業者から、しっかりやっている事業者へ集約していく必要がある」と言及。そうすることで、立地地域と事業者双方にメリットが生まれると指摘した。
石川は「原子力発電所と水力発電所は、立地交付金がある。再エネでも交付金をつくってはどうか。再エネを本当に増やすのであれば、再エネが立地する地元が儲かる仕組みをつくらないといけない」と強調した。