7月7日(日)深夜、バーチャルMC・一翔剣(吉田尚記アナウンサー)がパーソナリティを務めるラジオ番組『ミューコミVR』(ニッポン放送・毎週日曜日23時30分~)が放送。吉田が、原作・野田宏、作画・若松卓宏による作品『異世界失格』のおすすめポイント3つを紹介した。
番組では、コーナー『サポーターズVR by 小学館』を展開。こちらは、年間500冊以上マンガを読んでいるという吉田が、今誰かにオススメしたい作品を紹介するコーナーとなっており、今回は『異世界失格』をピックアップ。今回は吉田が、このマンガのおすすめポイント3つを解説した。
吉田:おすすめポイントその1は「異世界大喜利優勝」。
異世界モノって、今いっぱいあって、例えば『転生したらスライムだった件』とかあるんですけど。転生してスライムだったら、「そんな弱いのに転生しちゃってどうなっちゃうんだ?」みたいなのが、大喜利として面白いじゃないですか。最近だと、経学を学んだ人が転生して国を立て直す作品とか、転生したらネット通販ができるようになってて料理をめちゃめちゃ作る作品とか。いろんな大喜利があって、それぞれ面白いんですけど。今回の『異世界失格』が素晴らしいなと思ったのは……転生して何が起きたかというと、まず、「転生してすいません」いうところから始まるんです。太宰治の『人間失格』に「生まれてすいません」っていう名言があるわけですけど、それをパロディにしてるんですよ。愛する人と玉川上水を訪れて心中をするっていう歴史的な事実があるわけですけど、その前に突然現れたトラックに轢かれてしまうところからスタートしてるんです。それで異世界に転生してしまうというところから始まる、恥の多い生涯を終わらせたい作家が異世界を救っていく、シニカルでブラックユーモアに溢れた、異世界×文豪×心中×ダークファンタジーです。
西井万理那(パートナー):すごい!
吉田:おすすめポイントその2は「中身が超王道ファンタジー」。
異世界に転生した先っていうのも、いろんな種類があるじゃないですか。だけど、みんなが一番よく分かってるのは、剣と魔法で戦う作品で。モンスターというと、ゴブリンが出てきて ドワーフが出てきて……みたいなのが、一番聞いたことあるじゃないですか。主人公が太宰治とは言っていないんですけど、死にたいタイプの人ですから、本当は絶対そんなことしちゃいけないんですけど、ずっと薬を大量にボリボリボリボリ食べ続けていて。だけど、それ以外の人たちはみんな普通のファンタジーなので、変な人を際立たせるための設定が、めちゃめちゃちゃんとしてるんです。これが11巻続いてて、ちゃんと全部の話が面白いんです。
西井:へぇ~!すごい!
吉田:おすすめポイントその3は「ギャグから始まるのに謎の感動がある」。
毎回4~5話ぐらいずつの中編ストーリーが、ちゃんとできてるんですよ。主人公は基本的に体中に毒が溜まってるから、モンスターに食われるとモンスター側が毒でやられるとか、最初はそういうギャグで始まるんだけど、最後の部分では……。作家としては、満足なストーリーが書けない限り納得がいかないわけですよ。でも、大体悪役とかって、ひどいストーリーしか持ってないじゃないですか。だから、「そんなヤツ、つまんない」って言って次々破壊していくみたいな感じになってて、最後は、「だからこそ君は、生きてく資格があるんだ」みたいな話になって終わっている。最後にちょっと謎の感動があるんです。
『異世界失格』の魅力的な要素3つを語った吉田。この作品は、7月9日よりTVアニメ版の放送がスタート。『やわらかスピリッツ』にて絶賛連載中で、コミックスは最新第11巻が発売中。作品に関する詳細は、ホームページや公式SNSでチェックすることができる。
番組情報
ニッポン放送初のVRアナウンサー「一翔剣(いっしょう・けん)」がお届けする、カルチャー・エンタメプログラム。YouTube Live上に『VR』空間を展開し、60分のラジオ番組を同時生配信! 一翔剣は、2019年に"HoneyWorks"ヤマコ氏のデザインによるVRアナウンサーとして活動開始。今回、アイドル・アーティストとして活動する西井万理那、末吉9太郎を番組パートナーに迎え、『VR』空間でコラボレーションしていく!!