芸術の秋におすすめの展覧会4選をご紹介!
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やっと、秋らしさが感じられる日が増えてきましたね。温暖化の影響もあり、暑さは長く続きましたが、朝晩は涼しくなってきて、お出かけにもぴったりの季節です。そんな、芸術の秋におすすめの展覧会を、まとめてご紹介します。
泉屋博古館東京 「巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語(メルヘン)—現代マイセンの磁器芸術―」
まずは六本木。
私はマイセンについて詳しく知らなかったので、最初の展示が有田焼でびっくり。ヨーロッパを代表する名窯マイセンは、有田焼を参考にしていたそうです。
洋食器に有田焼のような色柄がうつしとられていて、単に真似しただけでない、調和の美しさに感心しました。
マイセンの中でも、この特別展では、巨匠ハインツ・ヴェルナー(Heinz Werner 1928-2019)の作品をたくさん観ることができます。『アラビアンナイト』やシェイクスピア『真夏の夜の夢』をモチーフにした作品では、カップやお皿ひとつひとつに繊細な筆致で美しい物語が描かれていて、うっとり見入ってしまいました。
ぜひ、小さな食器に描かれた幻想的な世界をお楽しみください!
■会期:8月30日(土)〜11月3日(月)
■場所:泉屋博古館東京
山種美術館 「【特別展】日本画聖地巡礼2025 ―速水御舟、東山魁夷から山口晃まで―」
続いて、広尾。実際にある土地が描かれた作品と、現地の写真を並べて展示する、大人気の展覧会の第2弾です。
内覧会には、山口晃先生がご来館。ご自分の名前が、速水御舟と東山魁夷と並んでタイトルに入っていることについて「生きた心地がしない」と仰っていました。
そんな山口先生の《東京圖1・0・4輪之段》は、山種美術館の所蔵品となって以来、初めての展示。大河ドラマのタイトルバックにも登場した大作です。
昔と今の東京が交錯する作品で、関東大震災で倒壊し、今はない浅草の凌雲閣も、ニッポン放送も、よく見ると描き込まれています。
私は、築地にあった祖父の旧居も見つけられて、嬉しくなりました。きっとあなたに縁がある東京も描かれていると思います。ぜひ会場でご覧ください!

小林古径≪伊都岐島≫山種美術館所蔵
そのほかにも、北海道から沖縄、果ては海外まで、画家たちが足を運び、取材をして描いた絵がずらり。国内旅行、海外旅行をしている気分になれます!

速水御舟≪塔のある風景(写生)≫山種美術館所蔵
※主催者の許可を得て撮影しました
■会期:10月4日(土)〜11月30日(日)
■場所:山種美術館
パナソニック汐留美術館 「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末 生活のデザイン、ウィーン・劇場都市便り」
続いて、汐留。
扱う時代は、ビーダーマイヤー時代(19世紀前半)と19世紀末。ウィーン・スタイルの工芸作品は、シンプルで使いやすい機能的なデザインが特徴で、お手本としてビーダーマイヤー時代の工芸作品が参照されたそうです。対比が分かりやすく展示されています。
シンプルなデザインの後には、装飾が華やかなデザインが現れてくる傾向も、二つの時代に共通しているそうです。
女性文化人やインフルエンサーにスポットを当てたり、第一次世界大戦中に、女性作家・女性職人たちがデザインし、作ったアクセサリーを紹介したりと、文化を支えていた人たちにも思いを馳せることができる展覧会です。
■会期:10月4日(土)〜12月17日(水)
■場所:パナソニック汐留美術館
CREATIVE MUSEUM TOKYO 「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
最後は、八重洲です。
マンガとアニメの源流が北斎にあるとして、どんな”しわざ”があったのか、 じっくり観られる展覧会です。
世界初公開 北斎最晩年の肉筆画もありました!
集中線や、ギャグ描写、アニメ的な動きの表現に、ジャポニズムとして世界に与えた影響などなど。
北斎の絵の巧さ、表現の幅の広さに圧倒されます。出展総数300点超え。ゆっくりじっくりお楽しみください。
■会期:9月13日(土)〜11月30日(日)
■場所:CREATIVE MUSEUM TOKYO
秋になって、イベントも様々行われていますし、10月11日(土)からはプロ野球のクライマックスシリーズ、日本シリーズも始まります。『ニッポン放送ショウアップナイタースペシャル』で、日本一が決まる瞬間まで、実況中継でお届けしますので、ぜひお聴きください!
夏の間、暑くてお出かけが難しかった方も、ぜひ、いろいろなところへお出かけになったり、ラジオを聴いたりして、リフレッシュしてくださいね!

箱崎みどりの「おさんぽアート」
ニッポン放送・箱崎みどりアナウンサーが、展覧会や美術展をご紹介します
<箱崎みどりアナウンサー プロフィール>
東京都生まれ。2011年ニッポン放送入社。
東京大学大学院修士課程修了(修士論文は「日中戦争期における「三国志」ブーム」)。
気象予報士、防災士、第一級陸上無線技術士。二児の母。
趣味で、近代日本での三国志について研究しており、著書に『愛と欲望の三国志』(講談社現代新書)。