『第18回OTC医薬品普及啓発イベント「よく知って、正しく使おうOTC医薬品」~今こそセルフメディケーション、さあ実践。~』が、10月3日(金)・4日(土)、東京都千代田区にある神田明神文化交流館 EDOCCOにて開催。ニッポン放送では現地の様子を取材するとともに、本イベントの実行委員長を務める株式会社龍角散代表取締役社長・藤井隆太氏へインタビューをおこなった。

会場となった神田明神文化交流館 EDOCCO 2Fには医薬品メーカーののぼりが立ち並ぶ
OTCとは「Over The Counter」の略で、薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売している処方箋なしで購入できる医薬品のことを、「OTC医薬品」と呼ぶ。本イベントでは、OTC医薬品メーカーからの情報発信、試供品の提供などを通じ、セルフメディケーションに果たすOTC医薬品の役割や、正しい知識や使い方などの普及啓発をおこなっている。

2Fブースエリアの様子
2Fのブースエリアでは様々な医薬品メーカーのブースが並び、来場者がOTC医薬品を見て回っていた。薬に関する相談を受けたり試供品の提供をしたりと、どのブースもスタッフが1人1人丁寧に対応している。

龍角散ブースでもスタッフが笑顔で対応 おなじみの商品『龍角散ダイレクト』などを説明していた
龍角散ブースでは『龍角散ダイレクト』などの品々が並び、多くの人が興味を示していた。このほかにも、会場には調剤体験コーナーや健康チェックコーナーのほか、スタンプラリーなど遊び心のある要素もあり、親しみやすいイベントになっている。

B1Fには自らの健康状態を知るべくたくさんの来場者が
B1Fには、検体測定室や模擬薬店、血管年齢や骨健康度・骨密度測定、体組成計といった、健康状態を知るためのコーナーが並ぶ。無料で受けられるということもあり、早い段階で受付が終了しているコーナーもあった。
株式会社龍角散・藤井隆太社長インタビュー
イベント体験後、ニッポン放送では、藤井社長へインタビューを実施。本イベントの狙いや、医療制度や健康を意識することの大切さなどについて話を聴いた。

株式会社龍角散代表取締役社長 藤井隆太
――毎年おこなっているOTC医薬品普及啓発イベントについて、どんなイベントなのか、改めてお聞かせいただけますか?
藤井社長:本イベントの目的は、医療に関する「行動変容」です。高齢化が進む中、このままいくと簡単に病院に行けなくなります。急激に患者さんが増えているので、予約も取りにくく、長時間待たされることもあります。また、薬も足りなくなってきています。そうした中で、OTC医薬品というものがあるということを、皆さまに分かっていただくことが重要と考えています。
――藤井社長は常にセルフメディケーションの大切さを訴えていらっしゃいますが、毎年行われているこのイベントは、年に一度、そういったことを考える場面なのかもしれませんね。
藤井社長:このイベントは、皆さまに健康になっていただくのが目的です。健康というのは自分ごとですので、何もかも医師に任せるのではなく、「自ら健康になる努力をしましょう」という意識づけをするためにおこなっています。

OTC医薬品普及啓発イベントの「目的」について語る藤井社長
――自分自身を守るための意識改革をするきっかけになればということですね。
藤井社長:そうですね。今回18回目を迎えますが、最初と比べると随分変わりましたよ。最初はひっそりとやっていたのですが、今回は、来場者数としては過去最高です。昨日(10月3日)だけでも1,000人以上いらっしゃっていて、今日(4日)も、雨にも関わらず多くの方に来ていただけています。
――来場者数が増えた理由については、どのように考えていますか?
藤井社長:我々もいろいろと努力はしていますが、やはり皆さまの意識が変わってきたということがあると思います。病院へ行くと待ち時間が長くなることがあり、最近では医療費も高くなってきています。ジェネリック医薬品も最近では足りないため、代わりに高額な薬を処方される場合があります。そうすると、軽い症状で病院へ行く場合、「症状が軽いのに高くついた」と感じることが度々あり、そういった状況から、「自分の身は自分で守る」という風に意識が変わってきたのだと考えています。

自らが健康でいるための「セルフケア」が大切だと語る藤井社長
――医療に対する人々の意識が変わってきているのですね。
藤井社長:これだけ医療が逼迫してくると、「医療にかかる負担を少しでも減らそう」と皆さまも考えてくださいます。私は時々大学で講義をおこなうことがありますが、若い方々も、「今のままだと、将来自分が年を取ったときに制度が破綻する可能性がある」「ということは、まずは健康を自分ごととして捉えて、健康になる努力をしなければならない」「制度をもっと持続性のあるものにしないと、子供や高齢者も救えない」と、真剣に受け止めてくださる方が大半です。
後期高齢者や未就学児の方々は躊躇なく受診すべきですが、子供がある程度育ってきたら、あとは「教育」だと思います。健康というものは自分で作るものですので、親御さんにも意識を持っていただき、しっかり伝えていただきたいと思います。
――今の医療制度はとても素晴らしいものですが、この制度を守るためにも、セルフケアが大切なのですね。
藤井社長:自分の健康状態を知って、セルフケアをすることが基本です。「食事に気をつける」「運動をする」「早寝早起き」など、しっかりと健康管理をしてください。現在の医療制度を守るためにも、皆さんの行動変容が必要ですので、皆さん1人1人に健康になるための努力をしていただきたいと願っています。
現在の医療制度を守るためにも、まずは、自らが健康になるための努力をしてほしいと訴えた藤井社長。「困ったら病院へ行けばいい」という考えでは、医療がさらに逼迫することになり、医療が高額となっていく中では家計も圧迫してしまう。軽い症状のときにはOTC医薬品を使い、セルフメディケーションをおこなうことも重要と言えるだろう。
今回で18回目の開催となり、これまで多くの来場者に向けて「行動変容」を促してきた本イベント。今後についても期待が高まる。

