2024度OTC医薬品普及啓発イベント『第17回「よく知って、正しく使おうOTC医薬品」~今こそセルフメディケーション さぁ、実践。~』が、10月4日(金)・5日(土)、東京都千代田区にある神田明神・文化交流館にて開催。ニッポン放送 NEWS ONLINE編集部は現地を取材するとともに、株式会社龍角散代表取締役社長でOTC医薬品普及啓発イベント実行委員長の藤井隆太氏へインタビューをおこなった。
OTCとは「Over The Counter」の略で、薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売している処方箋なしで購入できる医薬品のことを、「OTC医薬品」と呼ぶ。本イベントは、セルフメディケーションにおけるOTC医薬品の役割や、正しい知識・使い方などの普及啓発を図り、国民の保健衛生の維持向上に寄与することを目的に開催している。
2Fのブースエリアでは、OTC医薬品を販売する各企業が自社の商品をPR。試供品の配布などもおこなわれた。OTC医薬品について直接メーカーに話を聞ける貴重な機会となり、多くの参加者が訪れていた。
さらには、各企業のゆるキャラたちも集結。来場者の写真撮影に応じるなどして、イベントを盛り上げた。このほかに、YouTube同時生配信でおこなわれた商品のプレゼンテーションや、自身の健康状態をチェックできるコーナーなども設けられていた。
株式会社龍角散・藤井隆太社長インタビュー
イベント体験後、ニッポン放送 NEWS ONLINE編集部は、OTC医薬品普及啓発イベント実行委員長を務める龍角散・藤井隆太社長へインタビューを実施。OTC医薬品に関して知っておくべきことや、セルフメディケーションの大切さなどについて話を聴いた。
――本イベントの開催目的について、改めて教えていただけますか?
藤井社長:私たちが情報を出すことよって、生活者の皆さんがどのように自分の生活を変えていけるかを考えていただき、行動変容を促すというのが究極の目的です。日本には、国民皆保険制度という素晴らしい制度がありますが、何かあったらすぐに病院へ行けばいいということではありません。この保険制度を維持していくためにも、まずは、自分自身が健康でいることが大切です。保険に入っているから不摂生してもいいということではなく、自らの身体を健康に保ち守っていくことが、人生の幸福へと繋がります。そのことに気づいて行動を改めていただくために、このイベントをおこなっています。
――OTC医薬品を推進する理由について、お答えいただけますか?
藤井社長:軽い症状のときにすぐに病院へ行くと、医療提供体制への負担と医療費増大による医療保険制度への負担をかけることになってしまいますし、それほど強い薬が必要でない場合もあります。そんなときに助けになるのが、OTC医薬品です。軽い症状であれば、OTC医薬品の比較的効果の柔らかめのものを使うことで抑えることができますし、重症化せずに済みます。そういったことを皆さんで考えていただくのが、大きな目的です。
――セルフメディケーションを正しくおこなうために、知っておくべきことは何ですか?
藤井社長:まずは自分の身体の状態について知ることが大事で、その上で、必要であればOTC医薬品を使い、発症や重症化をさせないことです。身体の状態は人によって違いますから、自身の身体を若いうちから理解して、対処しておいたほうがいいですね。
――イベントを通じて手応えを感じている部分も多かったかと思いますが、逆に、今後の課題と考えている部分はありますか?
藤井社長:医療の高度化や人の高齢化によって医療費が膨れ上がっている中で、普段はOTC医薬品で対処できることを示すために、我々がしっかり啓発をしなくてはいけません。努力して健康になれば、病院へ行かずに済み、余計なお金がかからなくなります。調査によると、コロナ禍で体調を崩した方がOTC医薬品を購入したところ、7割は問題なかったという結果になりました。安易に病院へ行くのではなく、普段からセルフメディケーションを身につけておいたほうがいいですね。
本イベントのタイトルにもある通り、OTC医薬品をよく知って、正しく使うことが大切だと語った藤井社長。まず大事なのは、「自らの身体の状態を理解し、健康を保つ努力をすること」。そして、日本の未来や自分自身のために、セルフメディケーションの方法を正しく理解し、実践していくことが重要と言えるだろう。
今回で17回目の開催となり、これまでに多くの来場者やYouTube生配信の視聴者に対して啓発をおこなってきた本イベント。今後についても期待が高まる。