#52 坂本勇人(巨人)チーム生え抜き右打者初の40号
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◎2019年9月27日 東京ドーム
DeNA 0 0 2 0 0 0 0 0 0 =2
巨人 0 0 0 2 4 0 0 0 X =6
HR(DeNA)ソト43号 ロペス31号
(巨人)坂本勇40号 阿部7号 炭谷6号
「比べられないような人。打撃の成績自体は全然レベルが違う。たまたま通算安打は抜けましたけど、素直にうれしい気持ちと、比べちゃいけないな、という気持ちです」
これは9月19日、「ミスター・ジャイアンツ」長嶋茂雄の通算2471安打を抜く、通算2472安打を放った巨人・坂本勇人のコメントである。本人は“ミスター超え”なんておこがましいと謙遜するが、控えに回ることが多い今季も、坂本が登場すると観客が大いに沸くし、打率こそ低いが、勝負所では無類の強さを発揮している。十分、レジェンドと呼ばれるにふさわしい存在だ。
5月13日、坂本は福井で行われた広島戦で逆転サヨナラ3ランを放ち、しかもそれが記念すべき通算300号ホームランだった。その2ヵ月後、7月17日の中日戦でも、1-1の9回に2死一・二塁のチャンスで打席が回り、再びサヨナラ3ランを左翼スタンドに叩き込んだのは記憶に新しい。これが通算8本目のサヨナラ本塁打であり、通算14本目のサヨナラ安打はセ・リーグでは王貞治の15本に次ぎ、長嶋に並ぶ史上2位タイの記録だ。坂本はON同様、見せ場でファンを沸かせる“何か”を持っているのだ。
その坂本が、7年前 “ミスター超え”に挑んだことがあった。シーズンも押し詰まった 2019年9月28日、東京ドームで行われたDeNA戦。この年、坂本は39本のホームランを放ち、自身初の40本の大台にリーチを掛けていた。このとき巨人でシーズン40本以上打った選手は、ジャイアンツの長い歴史の中でも、王(13度)、松井秀喜(3度)、アレックス・ラミレス(2度)、タフィ・ローズ、小久保裕紀、李承燁、阿部慎之助の7人だけ。お気づきと思うが、小久保・ラミレス以外、全員左打者だ。
ダイエーから移籍してきた小久保が2004年、右打者で初めて40本の大台に乗せたが、生え抜きの右打者でシーズン40本を打った選手はそれまで誰もいなかったのである。長嶋は1968年に打った39本が最高。坂本はミスターを超える「ジャイアンツ史上初の、生え抜き右打者40号」という偉業に挑むことになった。
試合はDeNAが先制。0-2と巨人が2点を追う4回、無死ランナーなしの場面で坂本に第2打席が回って来た。坂本は、DeNA・中川虎大が投じた初球のストレートを振り抜くと、打球はライナーで左翼スタンドに突き刺さる40号ホームランに! 坂本の一発が口火となって、このゲームが引退試合だった阿部慎之助と、炭谷銀仁朗にもホームランが飛び出し、巨人は6-2と逆転勝利を飾った。
実に51年ぶりに、ミスターの記録を更新してみせた坂本。試合後に「僕の夢だった40号を打てた日が今日という日。最高にうれしいし、感動です」と語った。この年は40号で“打ち止め”で、生え抜き右打者のシーズン本塁打記録は2023年、41本打った岡本和真に更新されたが、坂本が偉大なのは、キャッチャーと並んで守備の負担が大きいショートを守りながらホームランを40本も打ったことだ。シーズン40本塁打を打った遊撃手は、1985年、41本打った中日・宇野勝以来34年ぶり2人目の快挙だった。この年、坂本は打率.312、94打点、173安打をマーク。強打の2番打者として、5年ぶりのリーグ優勝に貢献し、MVPに輝いた。
今季、安打数でもミスターを超えた坂本には、まだまだ乗り越えるべき“壁”がある。中日・立浪和義が作った「通算二塁打487」超えだ。9月20日現在、坂本は通算474本の二塁打を放っている。あと14本で歴代トップだ。達成は来期以降になるが、十分更新は可能だろう。
阪神との優勝争いがいよいよ大詰めになった今、坂本はこう語っている。「すごく野球選手としてはありがたいこと。でも、開幕戦からやることは変わらない」。不断の努力で、ここまでさまざまな記録を積み上げてきた坂本。生前のミスターから「お前はいつまでもジャイアンツのリーダーでいなきゃいけない」と言われたそうで、チームを牽引する覚悟はできている。これまで幾度も修羅場をくぐり、Vを何度も経験している坂本は、逆転優勝を狙う巨人にとって必要不可欠なパーツだ。
<チャッピー加藤>





