改めて公衆電話を考える【ひでたけのやじうま好奇心】

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朝霞市の女子中学生監禁事件。
2年間におよんで監禁されていた少女は、中野区の公衆電話から110番通報してお母さんに助けを求めた訳ですが。
テレビもいろんな企画をやりまして、若い女の子を連れて来て公衆電話を使えるか?実際に試させてみたりする。

たとえば、110番は警察、119番は消防、救急といった“緊急通報”は、いつでも無料!なんてことを知らない人がたくさんいる。

確かに数は減っている、NTT東日本公式サイトによりますと、1989年には全国津々浦々82万8,977台の公衆電話が存在していた、ところが2014年の末時点では4分の1に“激減”して、わずか18万3,655台。
どれだけ減っているか?というと「公衆電話設置場所検索」という、実に便利なサービスで「東京駅」と入れて検索してみる。
するとあの広い「東京駅」の構内で終日利用可能な公衆電話はたった1箇所。
終日利用不可というタイプと合わせてもたったの3箇所。
新宿駅の構内に至るや、終日利用不可のタイプがわずかに2箇所にあるだけ。

…では、公衆電話の命運はもはや尽きたのか?
そう思っていたら、実は今、世界的に公衆電話の存在価値がおおいに見直されつつある…!?

まず一番は“緊急時のインフラ”。
携帯よりも公衆電話のほうが、はるかに繋がりやすいのは間違いない。
災害や事故が発生したりすると、当然、回線が混み合って携帯やスマホは繋がりにくくなる。
ところが、公衆電話は、通信規制の対象外となる「災害時優先電話」という位置付けで、火急の際には、文字通り、携帯よりも“優先的に”回線を開けておいてくれる。
“緊急時のインフラ”として、やはり、非常に重要な役割を担っている。

そして、停電の場合も威力を発揮する。
たとえばかつての「ニューヨーク大停電」のような事態が起こったとしても、公衆電話は、NTT東日本やNTT西日本の通信ビルから電話回線を通じて電力の供給を受けている。
そのおかげで、公衆電話ならば難なく電話をかけることができる!

さらに、具体的には「災害救助法が適用される規模の災害が発生し、かつ広域停電が発生するなど、被災者の方々の通話を確保することが必要とNTT東日本・NTT西日本が判断した場合」には、公衆電話からの通話を「無料とする場合がある」のだそうです。
これは、NTT東日本のホームページに明記されてあります。

そして、最後に、もうひとつ。これは、本当に知られていないことですが、今、日本では「災害時における特設公衆電話の配備」が、急ピッチで進められており、東京都だけですでに「約3,400台」の「特設公衆電話」の準備が整っている。
この「特設公衆電話」とは、“災害時にだけ”使える、無料の公衆電話のこと。
どこに配備されているのか、NTT東日本の「災害時用公衆電話(特設公衆電話)設置場所」というバナーで確認できますので、是非チェックしてみてください。

さて、次は海外のケース。
さる3月22日、ベルギー同時テロが発生した、ベルギーの首都・ブリュッセル。
先ごろ、市内の3か所に、「治安について地元の人に質問できる公衆電話」が開設された。
コレ、どういうシロモノかというと、街の中にある公衆電話が、とつぜん鳴る。
すると、街行く地元のヒトが、受話器を取る…。見知らぬ電話の相手は、こんなことを訪ねます。
「来週からブリュッセルに旅行に行きますが、あたりの治安状態は如何なものですか? 」
「う~ん、そうだねぇ。今のところは、いたって平和そのものだよ。是非いらっしゃい!」
…なんていうような会話が交わされるのだそう。
地元の観光局によって設置されたという、この「“逆”公衆電話」。
観光都市ブリュッセルならではの取り組み方と言える。

最後は、アメリカ。
今、ニューヨークでは、公衆電話が、ある別のモノに変身して“大復活”している。
答えは「無線通信・Wi-Fiスポット」

いわゆる普通の公衆電話が、ほぼ“絶滅”してしまいまして、こんなジョークが流行したそうです。
『公衆電話がなくなったせいで、いま、アメリカの悪党どもは、みんな大喜びしているそうだ。なぜだか分かるかい? そのワケはね… スーパーマンが、変身できなくなったからさ! 』

そして、去年の末あたりからすでにニューヨーク市内のアチコチに設置されている、この新たな公衆電話。
その名を「Link(リンク)」という。

電話はもちろんのこと、携帯の充電もできる。一番の特徴は、超高速の「無線通信スポット」が備えられているという点でして、家庭でパソコンを使うときよりも、サックサクとネットを使うことができます。
8年以内には、ニューヨーク市内に7,500個以上の「Link」が整備される予定で、こうなると、通信ネットワークは市内をほぼ網羅することになるそうです。
そして… これが全部「タダ」! 「無料」というから、オドロく!
一部報道によると、総工費は「2億ドル」と言われていますが、「Link」に備わっているスクリーンの広告費で、費用をまかなうとのこと…。
そして、重要なポイントは、やはり日本と同じく、「緊急時のインフラ」という側面。
この「Link」、緊急電話番号に連絡したい時、これまで以上に素早く通報できるそうです。

~緊急時のインフラとして生まれ変わりつつある、「公衆電話の今」をご紹介しました!

4月6日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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