写真提供:産経新聞社
ヤクルトの山田哲人選手がスゴイ事になってきました。
きのうは2四球を選んだだけで快音は聞かれなかったものの、やはり4番に座るだけでチームに勢いが生まれます。
75試合で打率3割3分2厘、25本塁打、63打点はもっか3冠王。
加えて、17盗塁はリーグトップタイで、2年連続のトリプルスリーどころか、史上初の3冠王プラス盗塁王も視野に入ってきました。
もっかチームは75試合を消化していますが、山田がリーグ最速で20ホーマーを記録したのは65試合目。
2年連続20号を最速で放った日本人選手は、97、98年の巨人・松井秀喜以来です。
ちなみに、昨シーズン、山田の20号は85試合目でした。
さらなる進化は4番の重責がもたらしたものでしょう。
写真提供:産経新聞社
「7、8月こそ、ヤクルトの季節。今年はとんでもない記録ができそうだ」と杉村チーフ打撃コーチのボルテージが上がるのは、山田の4番固定が奏功しているからでしょう。
ところが、山田は記録には相変わらず無関心の上に、4番には、「違和感」と話しています。
「がっしりとして、どっかり座るのが4番バッターでしょう。ぼくは線が細い。長所はスピードですから。」
一方、畠山、バレンティンの故障で窮余の策というものの、責任が増すことによって自身の成績も上がっています。
「しんどい。試合がいやになるときもある」と漏らしているものの、試合前にグラブを磨いていると徐々にスイッチが入るそう。
「漫画を読みながらです。タイトル?恥ずかしくていえない。」
そして、基本のティーバッティングを繰り返すと、エンジンがかかるといったルーティンです。
杉村コーチとの二人三脚でここまできたエピソードは有名ですが、マンツーマンの土台をつくったのは、父の知規さん。
小学生時代から中学3年まで、素振り、トスバッティングなどにつきあった。
重量があるもの、通常、軽い3本のバットを用意して、ひたすら、「速く振れ」と素人ながらも指導したそうです。
素質を開花させるまでには、そうしたことの積み重ね。
では、どうしてボールを遠くへ運べるのでしょうか。
バレンティンが、「ホームランを打つポイントは、ボールの下をしっかり叩くことだ。
おれの見たところ、それをコンスタントにできるのは、日本人で山田1人。
よく神宮球場は狭いとかいわれるけど、そんなことは関係ないよ」と解説しました。
パ・リーグでは、楽天のオコエが注目を集めていますが、梨田監督は常々、「オコエを山田のような選手にしたい。」と言っている。
走攻守が揃ったオールラウンダー山田哲人選手の登場は、プロ野球界の新たな指標となるに違いありません。
(原文)青木政司
6月27日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」