せいいっぱいの愛をそそぐ【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】第106回

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わたしたちはひとつの愛を得たとき、いつでもその永遠を請い願うけれど、それは今夜で終わるかもしれないことを常に覚悟しておくべきなのです。そう思えば、その日その日に、せいいっぱいの愛を相手にそそぎ、愛情の出し惜しみなどはしないで、たとえその夜かぎりで天地がさけ、ふたりの幸福と平和が破壊されようとも、生きていた限りに愛しつくしたという想い出が残るでしょう。

瀬戸内寂聴

瀬戸内寂聴プロフィール

撮影:斉藤ユーリ


出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫

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