日本には古くから“モノを包む時”に使う『風呂敷』があります。
今週は『風呂敷』についてお話したいと思います。
『風呂敷』を辞書で調べますと“物を包むのに用いる、正方形の布”とありますが、正確には風呂敷は、必ずしも正方形ではないそうです。これは丈が幅よりも、ほんのわずかですが、長めに出来ているからだそうです。
その理由ですが、完全な正方形と比べると、わずかでも丈が長めの方が、より伸び縮みするからだそうです。
それでも“完全な正方形の風呂敷”というのもあるそうです。
“風呂敷でモノを包む”という行為には、“包んだモノを大切に扱い”そして“そのモノを届ける相手の方にも、敬意を払う”といった思いが込められているのだそうです。
そんな風呂敷と似たようなものに、『袱紗(ふくさ)』があります。この違いは一体、何なのでしょうか?
元々『袱紗』という言葉は“手触りが柔らかい”といった意味で使われていたそうです。確かに『袱紗』は、手触りがとても柔らかいです。
そんな『袱紗』ですが、“貴重品などが収められた箱の上に掛けられていた風呂敷”が由来だそうです。
その風呂敷が次第に、贈り物を運ぶ時、汚れや日焼けを防ぐために使われるようになっていったそうです。
それが後に“ご祝儀袋”や“お香典袋”、“目録”などを包むための道具として変化していったのが『袱紗』です。
現在では、ご祝儀袋やお祝いの品は『袱紗』に包んで渡すのがマナーとされています。
まとめますと『風呂敷』は“物を包むための生活の道具”で『袱紗』は“ご祝儀やお祝いの品などを扱う際の礼儀作法のため道具”と考えられるそうです。
※『袱紗』=『ご祝儀袋やお祝いの品を包む風呂敷のこと』と表記している辞書もあります。
(2016/12/12放送分より)
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