冬の風の名前
『木枯し』
元々は“木を吹き枯らすもの”という意味で、現在では“秋の終わりの頃、晩秋から冬の初めの頃、初冬にかけて吹く、強く冷たい風のこと”を言います。
『木枯らし』が吹くと、冬の訪れを感じますよネ。
『空(から)っ風』
冬型の気圧配置が強い時に、山々を越えて吹き降りて来る、冷たくて乾いた、しかも強い風のことです。
関東地方でよく使われる言葉で、特に『上州(現在の群馬県)の空っ風』は有名です。
『空っ風』のような“冬の季節風”のことを東日本では『ならい』、西日本では『あなじ』『あなぜ』と呼ぶこともあるそうです。
『玉風(たまかぜ)』
東北・北陸地方の日本海の沿岸で、冬に北西から吹く、強く激しい風のことです。
この『玉風』の影響で、大雪になることもあるそうです。
『束風(たばかぜ)』とも呼ぶそうです。
風の音は『虎落笛(もがりぶえ)』
こうした冬の強い風が吹いた時、“ヒュウヒュウ”と音が聞こえることがあります。
これを『虎落笛(もがりぶえ)』と言います。
『虎落』とは、竹を組み合わせて作った柵のことで冬の強い風がこうした柵や竹垣、電線などに吹き付けられた時、笛のような音を立てることから『虎落笛』と呼ぶようになったそうです。
■杏樹さんの感想
毎回こうした“美しい日本の言葉”をご紹介するたびに言葉の1つ1つに、情景が目に浮かぶ気がします。
耳で聴いても文字で見ても、心に感じるものがあります。
本当に日本の言葉って美しいですよネ。
木曜日にご紹介した『雪帽子』ですが、青森県立美術館に『あおもり犬』という作品があります。
(屋外トレンチに設けられた、高さ8.5mの真っ白な犬の立体作品 ※作:奈良美智)
雪の季節になると、このワンちゃんの頭に雪が降り積もってまさに『雪帽子』をかぶっているようになります。
私が大好きな雪の景色の1つです。
(2016/12/9放送分より)
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