お釈迦さまは生まれて一週間くらいで、生母のマーヤ夫人(ぶにん)を失われました。
生まれてすぐ生母に死に別れた体験は、生まれた者は必ず死ぬということ、
逢った者は必ず別れるということ、愛する者との別れはどんなにつらいかということを、身をもって思い知らされたということでした。
仏教ではこういう運命を、“生者必滅、会者定離”といいます。
これは人生の無常を説いているのです。
この世は決して今のままで定まっているのではない。
すべての物事は刻々に、自然もふくめて動き移っているのだ、ということです。瀬戸内寂聴
撮影:斉藤ユーリ