ワールドカップアジア最終予選、タイに4-0と快勝し、日本は2戦連続の完封勝利を飾りました。
「一番、ブラボーと言いたいのは、川島だ」
とハリルホジッチ監督が絶賛。
日本サッカー協会・田嶋幸三会長は、「4-4でもおかしくはない内容だった。かなりバタバタしていたのは認めざるをえない」と総括。シュート数が日本の12本に対して、タイはそれを上回る14本です。ボールポゼッションも日本55.5パーセント、タイが45.5パーセントとそれほどの開きがない。川島は、
「技術、フィジカル。今までのタイのレベルではなかった」
と振り返ったのも無理はないことです。
あくまでも海外にこだわる姿勢は不変。「日本のゴールキーパーとして、ヨーロッパの5大リーグで頑張りたい」と言います。その5つは、スペイン、イングランドのプレミア、ドイツ、イタリアと、フランス。川島が現在、所属するのはフランス1部、メスです。2016年8月から同チームへ。ところが、ゴールキーパーとしては、3番目の位置づけです。試合出場はほとんどチャンスがない。
「日本には日本の良さがある」と、Jリーグ移籍を模索したこともありました。とはいえ、ダメなら帰国というパターンは川島のサッカー哲学にはない。過去2度、ベルギーのリエージュ、スコットランド・ダンディーユナイテッドを退団した後の2回、所属がなく無職だったことがある。所属がなければフリーランス-というわけにはいかない。いくら本人が望んでも規定で日本代表に招集されることは不可能です。
ハリルホジッチ監督は常々、「日本のゴールキーパーは、世界レベルと比較すると、かなり低い」と辛らつな物言いをする。そんな評価を跳ね返すことも、川島が海外に固執する要因です。「自分が常に1番だと思う」。ある関係者が、こんな話を耳打ちしてくれました。「スコットランドでプレーした時は、特に気の毒。ディフェンダーのミスが、すべて川島のせいにされる。チームが2部したこともあって、身に覚えがない批判のオンパレードでした」。
最近、川島はことあるごとに日本代表GKの大先輩、川口と楢崎への感謝を口にすることが多い。
「代表で、お二人と過ごした経験が大きい。改めてそれを思っている」
と。41歳になっても現役にこだわり、J3相模原でプレーする元日本代表の川口能活(よしかつ)は、
「昔はいつもギラギラしていた。それはすべていいことではない。だけど、今はいい感じになったと思う。川島が日本ナンバーワンだ」
と、大いなる変身にタイコ判を押しました。
3月29日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」