4/18(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
テロ等準備罪でテロを防げる可能性が高くなる
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター小野寺五典(元防衛大臣・自民党政調会長代理)
民進党・山尾議員の批判は非現実的?高嶋) 共謀罪の審議入りをしましたが、明日から正式にやりますか?
小野寺) テロ等準備罪というのが正式な呼び方で、いよいよこの審議に法務委員会が入るということになります。
高嶋) 昨日はおもしろい議論があったようで、野党側も意表を突いていろんな質問をしたと。
小野寺) 森林法違反というものがテロ等準備罪に入りますが「保安林でキノコを採ることもテロの資金源になる、その場合にはこのテロ等準備罪の対象になるのか」という質問が民進党の山尾議員からあり、これに対して金田法務大臣が「なります」とお話しました。厳密に言えば確かにそうかもしれないのですが、質問の仕方が厳しく、実際は4年以上の禁固刑とか懲役刑でないとならないので、一体どれだけのキノコを採ればこれだけの違反になるのかということを考えたら、あまり現実味のある指摘ではないなと。
日本はテロ等準備罪による国際条約に入っていないため、テロを防げる可能性が低い高嶋) このテロ等準備罪、これが想定する国内でのテロとはどのようなものを考えていますか?
小野寺) 以前にも地下鉄サリン事件もありました。日本国内では東京オリンピックを含めた大きな国際イベントがこれからありますので、そういうときにいろいろな場所が脆弱性をもっています。テロを計画されたときに未然に防ぐことが大切ですが、ほとんどの世界の国はテロ等準備罪によってお互いの国が犯罪情報のやり取りをしています。がある国がこの首謀者がテロを企画して日本に実行犯を送り込んでテロをやると決めて動いているとしても、日本はテロ等準備罪の法律がないので、実行犯はこの人だと相手の国がわかっていても日本は手が出せない。逆にいうと日本では罪にならないので、相手の国としては首謀者がやると言って手下はそこにいるのに「日本ってこれ罪にならないということは通報をしても仕方がないよね」ということで教えてくれないかもしれない。
高嶋) 常識に考えてもそれはおかしいとは思いますけれども、野党側がことさら心配していることはどんなものですか?
小野寺) 日本の戦前では特高警察がいて、いろんな形で摘発をして戦争に反対した人をどんどん拘束するなど暗いイメージで使われたことがありました。その過去に回帰してはいけないということで、野党側は懸念を言っています。
高嶋) テロ等準備罪という法律を作らなくても、今ある法律で対処できるではないかという方もおりますが、それはどうですか?
小野寺) 日本でも殺人などの犯罪を未然に防ぐような法律はもちろんありますが、純粋にテロということをいろいろ分別していくとその中で防ぎきれないものはたくさんあります。よく考える必要があるものは、ほとんどの国がこの国際条約に入っていて情報のやり取りや犯罪の引き渡しをやっております。だけど日本は入ってはいない。世界で入っていない国はわずか10くらいで、南スーダンとかソマリアとかまだまだその国の法律が出来ていないところが中心で、北朝鮮すら入っています。そういう意味ではフランスとかスイスとかスウェーデンとか、人権に厳しい国ですらみんな入っておりますので、決して心配があるわけではないと思います。
高嶋) 野党側が心の中にまで踏み込んでくるのだと。居酒屋で冗談を言っていても引っかかるのだとかいろいろな言い方をしますが。その辺はどうですか?
小野寺) あくまでも重大犯罪を起こそうと集まった集団、しかもすでに犯罪を起こしている集団や、もともと悪いことをしようと思っている集団の話なので、普通の方がこれの対象になることはないと思います。
高嶋) 自公の支持層は7割が支持という世論調査結果もありますね。
小野寺) テロの未然防止が国際スタンダードになると、東京オリンピックを控えて国際基準を上げる。どの国も実はこれに入って情報交換をしているということですので、ご理解いただければと思います。