4/14(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
野党は国家権力の乱用を危惧
6:30~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
過去3回廃案となった共謀罪を改正
高嶋)いよいよ来週19日から、例のテロ等準備罪、組織犯罪処罰法改正案が、審議入りするということで、野党は大変なアレルギーを起こしていて、新聞によってですが「大反対」の立場。過去3回潰れています。今度はテロ等準備罪というのをね、こういう名前を付けたけど、「共謀罪と変わらないじゃないか!」みたいな。
宮家)随分と違うみたいですよね。
高嶋)根幹にある2000年に国連が採択した “国際組織犯罪防止条約”、なんと、北朝鮮まで締結していますけど。していないのが11か国だけ。
宮家)その中で締結しなかった先進国は日本だけですからね。問題は共謀罪。「くだを巻いて「ヤキ入れてやる!」とか言っただけで捕まる」、これはデマだと思うのです。デマというか、共謀罪のはっきりした構成要件と言うのですが、“犯罪がどのようにして成立するか”について考えた時、10年前の法案よりもはるかに対象を絞っている。組織的な犯罪集団に限られているし、そこで実行準備行為が無ければいけないのだから。だから酒を飲んで酔って喋っても絶対に捕まらないわけですよ。
高嶋)素人は関係ない、ということですよね。
宮家)少なくともそのように新しく作り直しているものですから。
高嶋)今はITの時代で、情報の伝搬が速いじゃないですか。そういう時に先手必勝で手を打たないと大変なことになる。
宮家)そこは公共の安全と個人の人権もしくは自由の、どこのバランスを取るかということですが、共謀罪の観点から言えば英米法のほうがはるかに厳しい。本当に考えただけで対象になるのです。だけど日本の刑法はこれまでは犯罪のあとの“法益の侵害”、この行為があるというのが原則なのですよ。もちろん予備、それから未遂もあるのだけど、しかしそんなことを待っていたらどうですか? いまインターネットで、計画が我々の見えない所でどんどん動いていくわけですから。それを未然に防ぐという観点から言うと、やはり基本的人権をある程度バランスを取りながら、新しい法律を作らなければいけない時期に来ているのではないかと思います。
すでに日本もテロのターゲットになっている
高嶋)政党によっては、かつての出来事が大変なトラウマになっていて、そういう国家権力の乱用みたいな事態になったら大変だ。人の心の中にまで入り込んでくる悪法である、という風に言っている。だからその辺のせめぎ合いがあるのですけれど。まあ、これは通ると思いますけどね。何と言っても与党の数が多いのですから。
宮家)まあそうですね。ただ、上手く説明してもらわなければいけないし、たしかに乱用や冤罪を生むという議論があるかもしれない。それについては運用をしっかりする。それは国会答弁できちんと説明しなければならないと思います。
高嶋)そして、実際に具体的な例として、テロの集団、テロリストを先手必勝で捕まえる。そういう事態でね、パッと出て来ると「ああ、やはりやって良かったんだな」という事例になっていきますよね。
宮家)そうですよね。まあ「東京オリンピックが~」と言う人もいるのですが、オリンピックがあろうがなかろうが世界で、インターネットで、いろいろな通信手段が増えてきましたから。日本もすでにターゲットになっているはずですから、いつやられてもおかしくはないという気持ちは持っていなければいけない。
高嶋)野党の大反対の人たちは、妄想に妄想を生むような形でね? 「こういうのもダメ、ああいうのもダメ」と。宮家さんも書いていましたが、酒場で上司の悪口を言って、「あいつ一発ヤキ入れてやろうぜ!」というような、そういうことも引っかかって来る、みたいなことを言っていますが、それは無いですよね?
宮家)無いのではないでしょうか。そこは、いままで3回廃案になった時の教訓もあるでしょうから、ちゃんと絞っていると思う。今回はそんなに言われるようなことは無いような気がしますけどね。