3/27(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
世界中の国際政治・軍事専門家が頭を悩ますロンドン国会議事堂テロ実行犯の52歳という年齢
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター高橋和夫(国際政治学者)
異例の“52歳”の実行犯高嶋)この間のロンドンのテロ、キーワードになっているのが、あのイスラム教に改宗した男ですね。普段は子煩悩な普通の市民だったという。彼は、驚くことに52歳でした。私もぎょっとしたのですが、先ほど先生に伺ったら、先生も「これは非常に大きなテーマなんだ」と。“52”というのは、やはり “テロ”とは結び付かないですか?
高橋)そうですね、普通は10代、20代。せいぜい30代くらいまでです。私(現在66歳)も、たとえばイスラエルによく行くのですが、飛行機に乗るときに年齢が上がると、尋問がやさしくなるのですよ。すぐに通してくれて。なぜかというと、だんだんテロをする年齢じゃないということで、確率が低くなるということだったのです。しかし、こういう52歳の人がテロをやられると、「年齢が上がっていても危険かな」となり、また厳しくなるのかな。捜査当局も目を配らなければいけない人が圧倒的に増えますからね。それでイギリスの捜査当局も頭を抱えていて。「なんでこんな人が出てきたんだろう」ということですね。
年齢以外は典型的なテロリストのパターン高嶋)いわゆる監視の対象にはなっていなかったと。
高橋)そうですね。この人は犯罪歴があって、1度は監視対象になったことがあったのですが、しばらく何もしていないし。
高嶋)2000年にパブで口論になって相手の顔を刃物で切り付けた前歴があると。
高橋)はい。テロをやる人の大半がそういった犯罪歴があって、特に多いのが、ある段階でキリスト教からイスラム教に改宗すると。
高嶋)彼もそうですね。改宗しています。
高橋)それで、実はパキスタンなりサウジアラビアなりに旅行に行く。あるいは、何らかの仕事で行く。そしてさらに過激になって帰ってきて、テロをする。というパターンですね。
高嶋)2005年11月からの1年間と2008年4月からの1年間、サウジアラビアに滞在。一応は英語の教師をしていた、ということになっているようです。ということは、いろいろな諸条件を当てはめてみると、テロに走る要因というのは、年齢を除いて結構濃厚にあったということですか?
高橋)そうなんです。ですから「こういう人だろうな」と思っていたらピッタリだったのですが、年齢だけが、なぜこんなにも高いのだろうと。お子様もいて、周囲の方の証言では、「庭の芝刈りを~」などと普通の人。ただ近所づきあいはあまりよくなかったようでして、話したことはないという方が多かったですけどね。けれど「どうしてだろう?」と疑問の残るテロ事件でしたね。
世界中で安全な場所はない高嶋)今度は車ですね。ニュースだと凄いデカい車で思い切り突っ込んだり、ロンドンでもいろいろ危険なことが起きていますが、テロをやる人というのは、これからどのような傾向になっていくのですかね? 警戒しなければいけないのは……
高橋)今回がそうだったのですが、テロをやる方は、“大きな車を借りたら監視される”ということで徐々に普通の車を借りるようになりますね。銃を持とうとしたらやはり警戒されるということで、ナイフということになります。ですからある意味では防ぎようのない、というところはあるのです。イギリスというのはロンドンのそこら中にテレビカメラがあるのですが、それでも防げなかったというので、イギリス当局としては「無念だ!」という雰囲気がありありとしていますよね。ただ、良いのは車は小さくなるし、銃ではなくナイフになるというので、テロが起きても被害が小さくなるというのは、唯一良いことですかね。
高嶋)世界中、本当に安全安心な場所はない、という感じですよね。
高橋)ロンドンの国会議事堂前ですからね。本当に高嶋さんがおっしゃるように、安心なところはないかもしれないですね。
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