7/6(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
北朝鮮の技術は原付二輪程度のもの
6:31~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター佐藤優(元外交官・作家)
都議選の実質的な勝利者は都民ファーストではなく公明党
都議選では自民党が歴史的な惨敗。都民ファーストが第1党となりましたが、今後はどのような展開になるのか、また、北朝鮮が成功したと言うICBMの発射について。元外交官で作家の佐藤優さんにわかりやすく解説していただきます。
高嶋) 伺いたいのですが、都議選の自民党の敗北をどのように見ましたか?
佐藤) まさに自民党の大敗北ですが、小池さんに風が吹いたわけではないです。逆風によって結果的に「自民が嫌だ」と。じゃあどこに入れようかということで、都民ファースト会に入れた。しかし都民ファーストは限りなく烏合の衆に近い。ですから長期間に対応できない。そうなると実質の勝利は公明党です。小池さん自身も「公明は頭脳だ」と言っていますが、頭脳かつ手足は公明党になる。だから公明党の力がものすごく強くなりますよ。
「火星14」は「ICBMができた」と見せる北朝鮮のプロパガンダ
高嶋) 北朝鮮がICBMだと言い張っている例の発射成功ですけど、これはどういうふうに読んでいますか?
佐藤) 北朝鮮のプロパガンダ、宣伝に各国のマスコミが乗りすぎているのではないかと思います。もう少し冷静に考えないといけないのは、北朝鮮は人工衛星を飛ばせるわけで、大陸間弾道ミサイルの第一段階の技術は持っています。
問題は再突入。再突入をさせて、そのときに弾頭がついていないといけませんから。鉄くずが落ちてきたって意味がないです。ちゃんと弾頭の形で落とせるようになっているということ。それから核弾頭の小型化。それがきちんとできているか検証して、初めてICBMと呼べる。
今の段階で、専門家の中でICBMができていると思っている人はいないと思います。北朝鮮はICBMができたと見せることによってトランプ政権を交渉の場に引き出そうとしています。ICBMだと大騒ぎをすると、北朝鮮のペースになってしまいます。高嶋) 核兵器を小型化して、核弾頭の先端につけて飛ばして、大気圏に再突入して実験がみごとに成功して。そのままの形でいけばアメリカのアラスカの本土までドカンと。シアトルまでと書いてある新聞もありましたが。そこまでは絶対行っていないという分析ですね。
佐藤) 行っていないです。もし仮に行っているとするならば、アメリカの対応が全然違います。朝鮮半島、韓半島にいるアメリカ人を引き上げて、武力抗議の準備をするはずですから。
高嶋) お昼のワイドショーで騒いでいますけど、あたかも大陸間弾道ミサイルの技術を北朝鮮が獲得をして、核も飛ばせると発言する人もいますが。
佐藤) 無責任ですね。それは北朝鮮のプロパガンダに乗ることになります。韓国の国防省がICBMだという見方に対して極めて懐疑的な見方をしていますから。
高嶋) 一部の新聞では『火星14』の大気圏再突入技術について懐疑的に見ていると。ICBMの場合、速度が上昇時にマッハ21、落下時にはマッハ24になります。国防省は『火星14』の速度について遥かに劣ると。
佐藤) マッハ20出ていないと、こういう技術的に正確な話が重要です。
例えるならアメリカはスポーツカー、北朝鮮は原付二輪
高嶋) われわれにもわかりやすく車で例えると、どの程度の乗り物ですか?
佐藤) アメリカがいまスポーツカーに乗っているとするならば、北朝鮮は原付二輪、もしくは電動アシスト付き自転車でしょうか。ちなみに日本は普通のフォードアセダンくらいの力はありますから。
高嶋) 日本は核兵器を持とうと思えばすぐに持てますからね。
佐藤) ある程度の時間で、はやぶさを戻すことができますから。大気圏再突入の技術は十分にあります。
高嶋) 佐藤さんの分析を聞いたら、そんなにギャーギャー騒ぐことでもないのですね。
佐藤) 慌てて騒ぐ必要はありません。しかし原付は自動二輪に近いですよね。普通車にも近いですから、そこを考えないといけませんね。