7/20(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！②

支持率30%を支えるのはカルトな信者たち
7:03～ひでたけのニュース　ガツンと言わせて！:コメンテーター佐藤優（元外務省主任分析官・作家）

ホワイトハウスで、首脳会談を前に笑顔を見せる安倍晋三首相とトランプ大統領＝2017年2月10日午後、米ワシントン　写真提供：産経新聞社

トランプ大統領はまるでカルト集団の教祖

アメリカでトランプ氏が大統領に就任してから、今日でちょうど半年。いろいろと世間を騒がせてきたトランプ大統領について、佐藤優さんの解説していただきます。

高嶋）今日はちょうど7月20日ですが、アメリカのトランプ大統領が、20日でちょうど就任から半年です。

佐藤）まだ半年なのですね。まるで10年くらいやっているようです。

高嶋）本当ですね。支持率は30%台に落ち込んだ、と。今日の新聞にも、それを取り上げているものがありまして。「それでも、白人労働者はいまも期待」という大きな見出しで。佐藤さんは、トランプ大統領について、どのように見ていますか？

佐藤）ちょっと乱暴な言い方をすると、「カルトの教祖」みたいなタイプとして見た方がいいと思います。この30%は「信者」ですから、絶対に崩れないと思います。
それで、全然準備ができていない。言っている公約もほとんど実現できていない。でも、そんなことは気にしない、という感じです。というか、自分自身で実現できるかどうかも分かっていない。たとえば私が、「1年以内に100メートル走を9秒で走る」と約束しても、絶対に不可能でしょう？　そういうことを平気で言ってしまうのですよ。国際政治でもそういったことがあるわけです。それでも、やはり波長の合う人はいる。

トランプ大統領は「マフィア」のような政治家たちと波長が合う

高嶋）この間のG20のときに、ロシアのプーチン大統領と、トランプ大統領が、何かにこやかに……

佐藤）トランプ大統領と仲のいい人……習近平さんも、悪くないでしょう？　もの凄く波長が合っている。それから、プーチンさんに、イスラエルのネタニヤフ首相。この辺りの人物は、波長が合うわけです。

高嶋）おっかない人とは、調子がいいのですね。

佐藤）そうですね。日本ではあまり報道されていませんが、ネタニヤフさんなんて、潜水艦疑惑で大変ですよ。ドイツから潜水艦を格安で購入して、その間を自分の友人にキックバックしたのでは、あるいは関連企業から、いろいろ貰っているのでは、という疑惑。これを一言でいうと……

高嶋）同じような匂いなのですか？

佐藤）そうです。要するに、うんと乱暴な言い方をすると、昔のベルルスコーニみたいな「マフィアっぽい政治家」がいるでしょう？　そういった感じの人と、トランプさんは波長が合うのでしょう。魚心に水心、みたいな、時代劇のお代官と越後屋のような。こういう雰囲気の人たちがトランプさんは好きなのですよ。だから、世界でそういう人たちの連合と仲良くなる。
逆に、メルケルさんのような、「学校の先生や風紀委員」みたいな、「ダメなものはダメ」みたいな感じの人とは、別れつつありますよね。我が安倍総理はどちらかというと、前者の「お代官」の仲間に入りつつあるのでは、とちょっと心配です。

トランプ大統領には「下品力」がある！

佐藤）相当、なんて言うか、「下品力」みたいなものがトランプにはありますよね。下品も、あるレベルを超えると力になりますから。

高嶋）これはトランプさんを褒めているのですか？　貶しているのですか？

佐藤）いえ、私は驚いているのです。ちょっと品の悪い話ですが、もう1回、選挙中の論戦を思い出してみましょう。
トランプに対して、ある候補が「手の小さいヤツは世の中でどう言われているのか知っていますか？」と言ったら、「知ってる。手の小さいヤツはナニも小さいって話だろ？」と。「俺のは人並みだから、心配しなくていいぜ」と。
アメリカの大統領選挙で、男の持ち物の大きさが論戦になったのは初めてですよ？　だからこういうのを、「いいじゃねえか！」と3割は支持したわけです。

高嶋）カルトの教祖、と。

佐藤）カルトのようです。本当に怖い。

高嶋）安倍さんの支持率もだいぶ落ちましたが、どうなのでしょう？

佐藤）トランプさんと波長が合うというのは……ゲンが良くないかも知れないですね。

高嶋ひでたけのあさラジ！
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