7/27(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
朝鮮戦争休戦協定調印から今日で64年
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
アメリカ本土に到達するICBMを来年にも実戦配備する可能性も
北朝鮮は今日「朝鮮戦争の勝利の記念日」と位置付ける「休戦協定調印記念日」を迎え、日本とアメリカ、韓国の防衛当局は、この日に合わせて北朝鮮がICBM―大陸間弾道ミサイルを発射する可能性があると見て警戒しています。大気圏に再突入する際の高熱から核弾頭を守る技術を確認すると見られています。
高嶋)北朝鮮は今日ICBMを撃つという噂もあり、休戦の調印記念日なのですが、その辺りをまとめてニッポン放送報道部の森田耕次解説委員です。
森田)北朝鮮の平壌(ピョンヤン)では昨日、休戦協定調印64年の記念日を祝う中央報告大会が開かれまして、朴永植(パク・ヨンシク)人民武力大臣が演説をして「アメリカが先制核攻撃論にしがみつくなら、事前通告無しにアメリカの心臓部に先制核攻撃を加え、地球上から跡形も無く消し去る」と述べております。
アメリカのCNNによりますと、北朝鮮北西部の亀城(クソン)には既に弾道ミサイル発射に必要な機材を積んだ車両が到着しているということです。日本・アメリカ・韓国の防衛当局は「気象条件が許せば今日にも発射に踏み切る恐れがある」と見て監視を強化しております。
ワシントンポストによりますと、北朝鮮の初めてのICBM発射実験となった今月4日の「火星14(ファソン14)」の発射は射程の実証が目的だったのですが、次は大気圏に再突入する際の高熱から核弾頭を守る技術を確認すると見られております。
国営メディアによる金正恩朝鮮労働党委員長の動静に関する報道が今月13日を最後に途絶えておりまして、ミサイルの組み立て作業などに立ち会っている可能性もあります。
一方ワシントンポストによりますと「北朝鮮は核弾頭を乗せたICBMを来年にも実戦配備できる」という分析をアメリカの国防情報局(DIA)がまとめたということです。「北朝鮮は2020年までにはアメリカ本土に到達するICBMの能力を獲得できないのではないか」という見方が多かったのですが、新たな分析はこうした認識を丸2年も短縮するものなのですね。
アメリカのハワイでは既に核攻撃を受けた場合の対応策や警報に関する指針も公表しているということなのです。
北朝鮮にとっては「朝鮮戦争勝利記念日」 国家の伝説となっている高嶋)当時私は小学生だったのですが、確か5年生のときにこの休戦協定が成立して学校中が大騒ぎで「マッカーサーの仁川(インチョン)上陸!」みたいな。先生が熱を込めて毎朝喋っていましたね。北朝鮮はこの休戦協定の調印記念日を「戦勝記念日」と言っているのですね。
山本)そうなのです。それは北朝鮮にとってみればやはり国家・民族の伝説・神話なのですね。あの戦いで“勝った”ということにしておかないと体制の偉大さということが実証できませんから。「決してウチが冒険的に南にちょっかい出そうとした結果大騒ぎになっちゃいました」とは考えない。
高嶋)それで、実際のところどうなのですか? 韓国の方は北朝鮮のああいう拡大軍事路線に対していわば麻痺しているところがあるのですよね。
山本)まあある程度麻痺しないとあの緊張感には耐えられないかもしれませんね(笑)。
高嶋)今でも「基本は同胞だ」なんて言っていますよね。
山本)さらにこの期に及んで「対話も必要だ」「核放棄できる人は金正恩しかいない」と。それはそうなのですけど金正恩が核放棄をするはずが無いので、対話をしたとしても「止めてくれ」と言って止めるわけではないのですよね。
今日、今この瞬間にも核発射のボタンを押しているかもしれないのなのですが、いずれにしてもあれだけ資源を一点集中で投入しているとそれは予測を超えるスピードで技術的な進歩というのはしていきますよね。しかもICBMに載せる核弾頭、これは小型化をしなければいけないというのがポイントなのですが、これすら2年くらい前倒しでできてしまうかもしれないという風にアメリカが読んだというのはやはり技術革新の速さというところに注目しているのだと思います。高嶋)大気圏の再突入という、宇宙の話をすると必ず最初に出て来る話で極めて難しいと。微妙な角度や、高熱に耐えられるかどうかということで。
北朝鮮は今どの辺まで来ているのか。アメリカが「来年には」と言っているということは、かなりのレベルに達していると判断すべきですか?山本)まあ良いところまで来ているのでしょうね。
今度は事前に潜水艦の長距離展開ということが言われましたよね。これは北朝鮮の持っている潜水艦の能力からすると相当乗員に無理をさせて沖合に出しているのだと思うのですが、やはり弾頭の回収などを考えているのかもしれませんね。高嶋)あれは映像で観るとけっこうデカい潜水艦ですよね。
山本)デカいとは言いながらもやはり旧式ですし、原子力潜水艦に比べると遥かに小さいものですよ。それから居住性も決して良くないと思いますので、今頃は多分海に出ていてもビスケットと水くらいしか食べる物が無いのかもしれないですね。
このままいくと核弾頭保有国・北朝鮮の存在を許すことに?高嶋)それでこれから先というのは果たしてどういう風になっていくのでしょうか?
山本)これはこのままいくと見える未来像は核長距離弾道ミサイルを持った北朝鮮が存在するという状況になってしまいますね。
中国が本気で北朝鮮の政権を変えてしまうくらいの締め上げをすればそれは止めさせられますが、中国はそれを絶対にすることはありませんから、このままいくのでしょう。高嶋)北朝鮮が核やアメリカを狙えるような弾道ミサイルを持つということは中国にとっては内心歓迎ですか?
山本)もちろん嫌です。私が中国を忖度してもしょうがないのですが(笑)。それはミサイルの射程を考えると今の能力ですら東海岸の中国の大都市は全部射程圏内に入っていますし、準長距離ミサイルを持ったとしても中国全土が射程圏内に入ってしまいますからそれは嫌なのですけど、いずれにしても北朝鮮というものが無くなってしまう状態と核を持っていても北朝鮮がそこにある状態のどちらが中国の国益に適うのかと言ったら、北朝鮮にいてもらわないと困る。だから何だかんだと言われながらも本気で政権をぶっ潰す程のことはしないのですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00