衆院解散~本当の理由は小池知事?
公開: 更新:
9/22(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
前例としてイギリスでは解散権が自由に行えないように改正された
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
解散権の行使は当然のルール
安倍首相は「解散権」を利用して、28日の臨時国会の冒頭に衆議院を解散すると言われています。所信表明演説をせずに解散することには野党から反発の声が上がっています。今回の解散の裏にあるものは何なのでしょうか。
高嶋)28日、臨時国会の冒頭で、「何も喋らずにいきなり解散する」と、どうも安倍総理はそのような雰囲気で決めているような印象ですが、この解散について、どう思われますか?
宮家)解散というのは、議会制民主主義の場合、大統領制ではないので、4年ではあるけれど途中で不信任になったら1発で終わりです。それに対しての対抗策として、「解散権」というのがある。それが政治の根本的なルールとして、あって当然なのです。問題は、「それをスピーチでするかしないか?」という話です。
高嶋)所信表明ですね。
宮家)所信表明をやらなければダメなのかどうかは、正直に言って、分かりません。
そして、解散権について民進党の方から制限しようという動きもあるようですが……
たしかに、それについてイギリスで似たようなことがありました。それにより、イギリスの首相の解散権は、もう日本のような形ではなくなっています。いろいろな考え方があって良いとは思うのですが、どちらにしても解散権についてやろうとしたら、憲法改正の話になります。高嶋)そういうことですよね。
宮家)ということは、運用をどのように議論するか、程度のことかな?
それよりも、争点を早く作りなさいよ、ということです。「大義名分がない」と仰るかもしれないけれど。高嶋)いま、争点を探しているのでしょうか?
宮家)でも、争点をもし探して、政府が出せないのであれば野党にとって絶好のチャンスじゃないですか。いまこそ、逆大義名分を作って、やらなければならない。
高嶋)だけど、消費税の使い勝手云々の変更とかも、民進党の代表が言ったのと同じことを安倍さんも言う。すると、争点にはなりませんよね。
宮家)なりませんね。
小池百合子都知事が国政に戻る前に解散・総選挙
高嶋)今度の選挙というのは、「安倍晋三」という内閣総理大臣の人間に対する信任投票だと思うのです。
宮家)そうならざるを得ないでしょう。いろいろ議論されたことをふまえれば。
高嶋)安倍さんのやり方を非難する人もいれば、「さすが、いい勘をしている」と言う人もいれば、長年観察してきて、どのような印象ですか?
宮家)私は内政の専門家ではないので何とも言えませんが、「大義名分のある解散」というものはなかなか無くて、だいたいは私利私欲で解散するわけです。勝てると思うから解散するのです。イギリスのメイさんも勝てると思ってやったけど負けてしまったのだから。勝つときもあるけど、負けるときもあるわけです。
高嶋)単純ですが、僕が思うに、小池百合子さんが怖かったのでは、と言う気がします。細野・若狭新党が26日にも、と言われていますが、小池百合子さんが党首になる前にということではないですか? 「都知事を投げ出して国政をやるのか!」とかいろいろ言われていますが。だけど、票が纏まる、大きなうねりを作るという点では、小池さんが出てきたらいちばん怖いでしょうね。
宮家)そうでしょう。若狭さんの比ではないです。ですから、彼女が、「都知事をやっているのだから、ちゃんとやってよ」という部分もあるけど、彼女が国政に戻りたいのは、絶対間違いないと思います。
高嶋)本音は日本初の女性総理大臣になりたいのですよね。それを果たして国民が許すのか? そして、野党がそういう旗の下に、93年の細川守煕さんを担いだときみたいに、結集できるかどうか、というのがありますよね。
宮家)しかし状況は決してあの頃のように、冷戦が終わって緩んでいた時期とは違います。いつミサイルが飛んでくるか分からない、下手をしたら2度目の朝鮮戦争が起きるかもしれない、という状況では、もう少し国民も有権者の方々も考えなければいけないと思います。
高嶋)すると、「いま選挙をしている場合じゃない」という人の意見が正しい?
宮家)まあ、それは1つの考え方でしょう。ただ、いつだって何が起きるか分からないわけですから。いまだろうが、3ヶ月後だろうが1年後だろうが、同じです。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00