「消費税増収分・教育無償化」のアイデアは佐藤優氏も考えていた!?
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9/21(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
借金返済分を減らし教育無償化などの社会保障の財源に
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
増収分の財源を使うアイデアは佐藤優氏と前原氏らの著書から?
安倍総理は、今月下旬召集の臨時国会の冒頭で衆議院解散に踏み切るとの見方が広がっています。それに伴い2年後の10月の消費税増税で、増収分を社会保障の財源に充てる「全世代型の社会保障改革」を掲げました。しかし、このアイデアは佐藤優氏が民進党の前原代表、慶応大学の井出氏らと共に出版した書籍の中で出たものととても似ているといいます。
高嶋)佐藤さん、安倍総理がどうやら10月10日公示、22日に投開票という臨時国会冒頭での解散を仕掛けるようです。そして、2年後の10月に消費税率が8%から10%に上げる。その増収分を今までは借金返済に充てるはずだった相当の部分を変更して、借金返済分を減らして教育無償化などの財源に回すという。
ところがこれを最初に言い出したのが民進党の前原さんだという話がありますが、そもそも、佐藤さんたちが昔いろいろと相談をしているときに出て来たアイデアだそうですね。佐藤)そうなのです。初めて舞台裏の話をしますが、実は去年私は前原誠司さんと井出英策さんという慶応大学の先生と朝日新聞出版の朝日新書から「分断社会ニッポン」という本を出しています。あれは2年間彼らを中心に私も入って勉強会をしたその結果なのですよ。それを世の中に知らせておこうと。
そのポイントが、税の使用目的を変えて幼児教育の無償化や大学教育の無償化だったのですが、今回の安倍さんの考えと数字も近いし概念も近いし、これが偶然の一致だとするならば、これはものすごく不思議なことがある。まるで談合で価格が99.9%近かったときのような雰囲気です。
2年間議論した民進党の前原代表 自民党は策士策に溺れている高嶋)前原さんは一緒に研究をしていたから構わないですけど、それをそっくり総理が言って来るという、そこですね。
佐藤)それでポイントは、別に私は民進党員ではないですけど、前原さんは友人ですよ。だから良い政策が実現すれば何でも良いのだけど、問題はあの民進党ですら前原さんは元々竹中平蔵さんと立場が近くて、前原さんが政策を変える為には民進党の中でも2年間議論をして代表選挙をやってその上で政策を変えたのです。
自民党は基本的に小さい政府を施行して財政再建ということがずっと一貫した目標だったわけでしょう。それを変えるのだったら党内の議論をして、それこそ総裁選挙を選考させないと。高嶋)自民党内でもそれでカンカンになっている人がいるのですよね。
佐藤)それはそうですよ、大変な話ですから。
ちょっと厳しめかもしれませんが、策士策に溺れている感じがします。北朝鮮問題で支持率が上がって来たぞと。しかし裏返すと、本当に危機があるのだったら政治空白を作れない。それから仕事人内閣を作りましたが、何で所信表明演説もしないで2ヶ月以内に解散総選挙をするのかと。これは内閣改造がありますから。
それから3分の2の議席を本当に取るつもりなのか。憲法9条の改正も入れると公明党に話しているのかと。ひとつひとつ詰めると分からないことばかり。でも何となく「行けちゃうだろう」という雰囲気で何だか永田町だけの論理でやっていると思うのですね。高嶋)見ているのが霞ヶ関と永田町だけみたいな。
佐藤)あともうひとつ、東京都庁、小池さん。時間が間に合わない、国政だったらまだ良い候補者を見つけるのにと。今がチャンスと。だから政局の要素、政争の要素があるので、そういう意味では正しいのでしょうけど、少し国民不在の感じがする。
高嶋)その政治家としての総理の勘が当たるのか、それとも今おっしゃった策士策に溺れるのか。
佐藤)森友・加計問題が後から効いてくる可能性がありますね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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