衆議院選挙が公示~自民党単独過半数獲得はギリギリ?
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10/11(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
希望の党は100議席獲得の可能性も
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
衆議院選挙が昨日公示~22日の投開票に向け選挙戦開幕
衆議院選挙は昨日公示され、憲法改正や消費税増税などを争点に22日の投開票日に向けた選挙戦がスタートしました。今回の選挙には小選挙区と比例代表合わせて465議席に対し1,180人が立候補しました。与党の自民・公明両党に対し、希望の党・日本維新の会の勢力と共産党・立憲民主党・社民党の勢力が挑む三極対立の構図です。
昨日公示された第48回衆議院議員選挙は5年近くに渡る安倍政治が問われ、有権者の判断を受けた政権の枠組みが焦点となります。与野党8つの党などから合わせて1,180人が立候補しました。
この内小池さんが代表の希望の党は235人を擁立しまして、過半数の233を辛うじて上回る候補者を擁立しました。
また民進党は分裂しました。結局希望の党に参加した民進党の全衆議院議員は52人に留まり、14人が立憲民主党に加わりました。そして野田前総理大臣ら23人が無所属で立候補ということで、民進党は3つに分裂しました。
各党の党首は昨日全国各地で第一声を上げました。自民党総裁の安倍総理大臣、希望の党の小池代表です。
安倍総理)今回の選挙、少子化あるいは北朝鮮の脅威に対していかに取り組んでいくのか、それを決める選挙でもあります。皆で安心できる日本を作っていきたいと思います。
小池都知事)安倍一強政治を皆さんの1票で終わらそうではありませんか。お友達であれば何か良いことがある、そんな政治に対して信頼が持てますか皆さん?
続いて公明党の山口代表、共産党の志位委員長、そして立憲民主党の枝野代表です。
山口代表)今回、政権選択の選挙であります。消費税10%、この増える税収を子育てや高齢化の為に使わせていただきたい。
志位委員長)憲法をこれだけないがしろにしてきた政権はかつてありません。権力が憲法を無視して暴走を始めています。
枝野代表)少子高齢化の進む格差の拡大を伏せ、社会が分断をされていっている、もう限界じゃないのか。全うな暮らしを取り戻したい。
さらに日本維新の会の松井代表、社民党の吉田党首、そして日本のこころの中野代表です。
松井代表)大阪の政治家というのは身を切って当然という風になっている。2年先に消費増税、役所のお金の使い方を見直してから増税を考えましょう。
吉田代表)社民党は今回の選挙で憲法を活かす政治、国民生活最優先、そのことを懸命に掲げて戦います。
中野代表)小池さんが新しい政党を作られた。安全保障問題、憲法問題と言いましたら、国会議員にとっての根源的な問題です。それが一夜の内に変わってしまって良いのでありましょうか。
森田解説委員)今回の選挙は289の小選挙区を見ますと、自民・公明の与党、希望と維新、そして共産・立憲民主・社民3党の3つの勢力がそれぞれ1人以上の候補者を擁立する選挙区が208ありまして、全体のおよそ7割を占めています。野党第1党の分裂で非自民票が分散する可能性が出ています。
一方自民党総裁の安倍総理大臣は勝敗ラインを与党で過半数の233議席に設定しましたが、昨夜のNHKのテレビ番組で「自民党の獲得議席が大幅に減っても、自身の続投を党が支持すべきだ」という考えを示しました。「党で内輪揉めをすることがあってはならない」とこのように述べています。与党内には「無党派層の投票が増えれば厳しい」という不安が燻っています。
また希望の党も日本維新の会と手を組んで改革保守の浸透を図り、何とか無党派層を取り込もうという算段ですが、こちらもどうなるかは見通せていません。自民党の最新調査では自民党は50議席減り厳しい戦いに
高嶋)鈴木さんはもうとにかくプロ中のプロで、八方手を尽くして今までの選挙戦で必ず細かい分析をして「これからこうなっていく」というのを先駆けておっしゃるタイプなのですけど、選挙戦の現状というのはどんな絵柄になっていますか?
鈴木)最初に言っておくとそうやって一生懸命にやっても結果が違うことがよくありますので、それは先に言っておきましょう(笑)。
今回、勝敗ラインというのがあります。自民党と公明党、この2つの党で過半数233以上です。自民党は低めには設定したのだけど、かなり厳しい状況になって来ているというのが今の戦況だと思います。高嶋)今の自民党の人たちは現段階でこの選挙は相当厳しいぞと。そう言われてみると昨日のNHKに出ていた安倍総理の顔もいささか厳しそうな表情ではありましたよね。
鈴木)細かいことはまだ言えませんが、先週の土日、公示直前の7,8日に自民党自身が情勢調査をやっています。もちろん何回もやっているのだけれども、それによると自民党単独で単独過半数を取れるかというとぎりぎり達するかという感じです。つまり230台の後半くらいなのです。
高嶋)というと、現有議席からいくといくつ減るのですか?
鈴木)約50議席減ります。
高嶋)そのラインがいろいろと言われている所以ですね。
鈴木)そうですね。一方で希望の党が3桁に乗るのではないかと。つまり100議席ということです。それから立憲民主党も実は健闘していて、30議席近くまで伸ばすのではないかと予想されます。そして共産党や公明党が現有、維新も少し伸ばすということなので、結論を言うと自民党がかなり減らすだろうと。とにかく今のような280議席そのまま取るようなことは無く50くらいは減らすのではないかと予想されます。
やはり希望の党や反安倍票、政権批判票というのがある程度伸ばして来ると、そんな感じになって来ています。これは自民党の調査ですから、自民党自身がやはり「これはかなり厳しくなって来ているぞ」ということでこれから選挙戦をどう戦うのかということになって来るのだと思います。首班指名を選挙終了までしない小池知事~はっきりしない方向性は戦略だが党のマイナスイメージに
高嶋)小池さんは最初絶対に勝てると見れば必ず総選挙に出たはずですよね。一番良いときの世論調査というのは相当良い数字が出たのですか?
鈴木)これも同じような自民党の調査で、情勢分析を9月の末くらいにやったのはもう150議席くらい取るのではないかと。希望の党と民進党が「さあ大同団結だ! 皆手を取って安倍政権を倒そう!」という空気が何となく見えたときです。だから本当に自民党は「大変だ」という話になったのですよ。
高嶋)それで公明党も「国政で場合によってはどこと組むかは分からない」みたいなことを斉藤さんが言いましたけど。
鈴木)そういう空気になったのだけども、高嶋さんのおっしゃる通りその後の合流劇がゴタゴタしたでしょう。それから小池さんが出る、出ないもありましたし。
高嶋)その選別要素というのはどれくらい影響がありましたか?
鈴木)つまり単純計算でいくと150くらいだったのが今は100くらいになっているということは、それくらいの影響が出たということです。だから自民党としてはちょっとホッとしたのだけど、でも単独で過半数+αくらいのところであれば気が抜けません。森田さんがさっきおっしゃったように、三つ巴とか接戦のところがまだたくさんあるわけですよ。
高嶋)イラ立つ小池さんが完璧に出ないのはもう分かりました。だけど首班指名については選挙結果を見てからというのでずっとお茶を濁してきて、これはどうですか?
鈴木)今はけっこうそこにメディアなどの批判が来ていますけど、私もやはりそこははっきりとするべきだろうなと思うのですね。有権者に対してそれが選択肢であるというのであれば、一体どういう国にしていくのか、首班指名は誰にするのかというのはある程度示さないといけないのではないかなと思います。
高嶋)ある程度の青写真は描いて欲しいですよね。もし自分の党が100なら100取ったとする、そして例えば公明党や維新がもし組むのであればこういうパターンが考えられますというくらいのことを言ってもらわないと。
鈴木)ただ言わないこともまたひとつの手であって、陽動作戦でもあるのでしょうけども、有権者がそれをどう見るかというと「いや、はっきりさせて欲しい」という声が出て来るのは当然だと思いますね。本当にギリギリまで今回は分からないです。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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