「流しのブルペンキャッチャー」ドラフト会議のサプライズを斬る

By - NEWS ONLINE 編集部　公開：2017-10-27 　更新：2017-10-27

高嶋）さ、プロ野球のドラフト会議が10月26日に、開催されました。そこで、きょうはドラフト候補の投手の剛速球を実際にキャッチャーミットで受けて、「野球人（やきゅうじん）」という本をお書きになられている「流しのブルペンキャッチャー」こと、スポーツライターの安倍昌彦さんにお話を伺います。よろしくお願いします。
まずドラフト会議の印象はどうですか？

安倍）大小のサプライズがあったドラフトでした。

高嶋）大の方は？

安倍）清宮選手に7球団来たのが驚きでした。5球団くらいだと思っていました。少なければ3球団くらいかなと。夏の頃にスカウトの皆さんが「清宮、清宮」とおっしゃっていたんですが、7、8球団が清宮でした。
夏は夢を語るんです。でも、当日になると、現実を語るようになるのがドラフトなんですよね。つまり、ピッチャーの方に傾いていく。僕も当日はそうなるかと思っていました。
ただ、最後まで、清宮君はプロの関係者に夢を語らせたんですよね。そういう力、魅力を持っている選手なんですよね。

高嶋）日本ハムが引いたというのは運命感じるんですよね。中田選手や大谷選手が抜けるとも言われている中、清宮君が入って来る。

安倍）しかも準備したように、2軍監督に早稲田実業の先輩の荒木大輔さんが就任。そこにポコッとハマるっていう清宮選手の持っている運。

【プロ野球ドラフト2017】清宮の交渉権を引き当て、ガッツポーズの日本ハム・木田優夫GM補佐（左から3人目）＝2017年10月26日港区のグランドプリンスホテル新高輪　写真提供：産経新聞社

高嶋）そして、サプライズの小の方は？

安倍）ソフトバンク。3回抽選で外してしまって、その後に誰も想像していなかった高校生のピッチャーを指名したんです。山形の鶴岡東高校の吉住晴斗（よしずみ・はると）投手。大型の本格派（185cm、85キロ。右投手）。この投手をいきなり1位でいくのがソフトバンクらしい。体が大きくて、エンジンの大きな外車仕様なんです。ハンドル操作もブレーキも荒っぽいんですけど、伸びしろの大きいピッチャー。ただ、（事前の予想では上位指名候補の投手ではなかったので）指名された時、会場がシーンとしました。

高嶋）個人的には広陵の中村選手。キャッチャーと言うと、太っていて、鈍足というイメージなんですが、全然違いますね。

安倍）今までのカープのキャッチャーって、達川さんの頃から中肉中背。あまり足は速くなくて、西山さん、瀬戸さん、石原選手など代々繋がっていたんですけど、初めてシュッとした背の高い、かっこいいキャッチャーが入ってきました。