今の希望の党に“希望”はあるのか?

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11/8(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

本日、国会議員を率いる共同代表の選挙公示
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

大串 民進党

両院議員懇談会に臨む民進党の大串博志政調会長=2017年7月25日午後、東京・永田町の民進党本部 写真提供:産経新聞社

希望の党が共同代表の選挙を告示

希望の党は今日、国会議員を率いる共同代表の選挙を告示します。午前10時から立候補を受け付けますが、これまでに民進党出身の大串博志衆議院議員と玉木雄一郎衆議院議員の2人が8人の推薦人を確保しました。また出馬を目指している渡辺周衆議院議員と泉健太衆議院議員は推薦人確保に努めているところです。

玉木氏は安全保障関連法に賛同して憲法改正論議にも前向きなのですが、大串氏の方は安全保障関連法を容認せず、憲法9条改正も不要だという立場で、この2人には見解で大きな隔たりがあります。また細野豪志元環境大臣ら希望の党結党メンバーは候補者擁立を見送るのですが、投票行動では足並みを揃える方針です。玉木氏を支援する方向と伝わっております。

立候補者は今日の午後共同記者会見を行いまして、明日9日に公開討論会を行います。そして明後日の代表選は党所属の国会議員53人が無記名で投票することになっています。

その希望の党は昨日、加計学園の獣医学部新設をめぐり調査チームを設置し国会内で初会合を開きました。また立憲民主党も昨日調査チームの会合を開いております。

特別国会の方は安倍総理大臣の外遊からの帰国を待って、総理の所信表明演説を今月17日に衆参両院で行う方向で自民公明両党がまとまりました。各党による代表質問は20日~22日に衆参両院で行われる方向になっております。

小池百合子

東京五輪・1,000日前イベント フォトセッションに臨む小池百合子都知事ら=2017年10月28日、東京都中央区 写真提供:産経新聞社

“今世紀に残る当て外れ”の希望の党 小池百合子の起死回生はあるのか?

高嶋)希望の党ほど今世紀に残る当て外れですよね(笑)。あの小池さんが、去年は都知事選で自民党を蹴散らして大勝して、それで今度「希望の党だ! 代表は小池だ!」ということになって「選挙にも多分出るだろう」「ジャンヌ・ダルクだ!」みたいな。皆もう慌てた人は石にコケながら慌てて内閣府の副大臣を辞めたり党を飛び出たりいろいろとしましたけど。「あら?」と思ったらとんでもないことになりまして、この希望の党が今度代表を選ぶということで。小池さんはまだ代表なのですよね?

鈴木)共同代表ではありますね。

高嶋)これってどうなのですか? 小池さんなんかとちゃんとまとまっていくような感じなのですか?

鈴木)基本的にはやはり、これはかつての維新と比較すると分かりやすいと思うのだけども、やはりスターは橋下徹さんだったわけですよね。それで国会の方には最初できたときには石原慎太郎さんが共同代表という感じで、その後もずっと共同代表。今は松井一郎さんと片山虎之助さんということになっているわけですね。

高嶋)でもかつてのいわゆる大阪でぶりぶり言わせていた橋下徹と、それから大ズッコケでひっくり返ってしまった小池さんと、全然違うのではないですか?

鈴木)だから形としては非常に似ていますし、今回は希望の党の主役というのはやはり小池さんだと私は思うのですよね。ただ国会側にも誰か必要だということになる。だからそういう意味ではやはり小池さんが主役で、今は少し評判を落としてしまったから大人しくしていますけども。

高嶋)小池さんは都議会の方でも、選挙が終わったら代表を辞めてしまって、けっこう意のままに気ままにやるじゃないですか。今度はこちらの方はどうなのですか? 責任を取る気はあるのですかね?

鈴木)もし取るのであれば、要するに辞任ということであればおそらくパリから帰って来て選挙が終わってすぐ、あの段階で自分から「辞めます」という風に小池さんが言えばこれはそういう腹だったと思いますけど、続けているということはやはりこれから何かしらの起死回生ではないけれども、もう1回巻き返すという、それはもうただでは転ばない人だと私は思いますよ。世論が支持するかどうかは別として。

高嶋)「このままじゃ死なないわよ、見ていなさい。あなたそう言ったわね?」とかそういうやつですね。

鈴木)だからそういう意味では狙っていく手をいろいろと考えているんだろうとは思いますね。

玉木 民進党

両院議員総会に出席した民進党の玉木雄一郎幹事長代理=2017年8月2日午後、東京・永田町の民進党本部 写真提供:産経新聞社

今後はベテランではなく若い議員に注目が集まる

高嶋)どういうまとまり方が希望の党としては一番“希望”が出て来ますか?

鈴木)例えば今候補として名前が挙がっているのが玉木と大串さんだけども、はっきり言うと2人とも若いのですよね。
これは非常に意味があると僕は思っていて、例えば自民党は今安倍政権ですけど、今自民党で一番注目されているのは小泉進次郎さんですよね。つまりこの世代がもう自民党には育って来ている。そういうものに対して、要するに旧態依然とは言わないけれども、今までずっと野党再編の中でやって来たベテランではなく、こっち側も若い世代でひとつ先のところに向かって行こうという、そういう意味では若い人を共同代表というポジションに選ぶ流れになって来ているのは、僕は良いことだと思うのですね。
ただ若すぎると百戦錬磨の小池さんに捻られてしまう可能性もあるのだけど(笑)、そういう意味では良い流れの代表選にはなる、辛うじて“希望”があるとすればそこでしょうね。

高嶋)かつてある政治家がインタビューをしたときに言っていましたけど、選挙に大敗するということは次の選挙で勝つまでずっと負けが続くと。「立ち直れないんだ」というようなことを言った人がいましたけど、安倍長期政権で次の総選挙がいつあるか分かりませんが、希望の党もそれまでずっと屋台骨を支えていくというのは大変なことですよね。

鈴木)大変なことだと思いますね。だからそういう意味では当然希望の党も野党の連携の中でどういう立ち位置を示すのか。政策政策と言っていますけども、政策を貫けば党がひとつになり素晴らしく支持を受けるのかと言うとそうでは無いのですよね。だからその辺の立ち回りを含めてですよ。でもその辺は少し小池さんあたりが上手く裏でやるのではないかなという気がしますけどね。

高嶋)永田町と新宿と、けっこう距離もあるしね。

鈴木)“分かりにくい”というのがこの希望の党の最大の問題だと僕は思う。それからやはり情報公開が足りませんよね。全部内々でやってきている感じがある。だからこの辺の透明性、それから若い代表を選んで本当に新しい党というイメージを作れるかどうかというのが本当にポイントだし、これができなかったらアウトですよ。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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