ドイツの政治事情~メルケルさんがドイツの首相ではなくなる?

By -  公開:  更新:

12/1(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

大連立政権は存続させるべき
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹)

伊勢志摩サミット 各国首脳到着 ドイツ・メルケル首相夫妻(提供:産経新聞)

そもそも社会民主党は大連立政権を解消しようとして、選挙で大敗してしまった

ドイツでは、メルケル首相が次期政権樹立に向け、国政第2党である社会民主党との大連立政権を継続させようとしているが、社会民主党のシュルツ党首は、野党路線を主張してきている。この一連の流れについて、宮家邦彦氏が解説。

高嶋)ドイツのメルケルさんの立場を伺いたいのです。選挙にやっと勝ったは良いけど、例の大連立について、シュルツさんとずっとやっていましたが、彼もけっこう、したたかでね。いろいろな条件闘争をやっているようですが、これはどうなりそうですか?

宮家)どうなるかは分からないけれど、ようするに、シュルツさんが党首の社会民主党はいままでメルケルさんと大連立を組んできた。しかし、彼女だけ輝いてしまい、社会民主党はどちらかというとジリ貧なわけです。統制はどんどん低下していく。それで、そのままメルケルさんとやっていくのではなく、「やはり自分自身が社会民主党を何とかしなければ」と思っているから、今回、「とにかく何があっても連立は解消だ」と言って選挙をして、こうなってしまったわけです。そして、何のことは無い第3党の少し変な、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が出てきた。
そうなれば、元の鞘に戻るのがいちばん良いはずなのです。何故かというと、やはりシュルツさんの問題もありますが、「メルケルさんがドイツ首相ではなくなる」というのは、大変に大きな損失だと思うのです。EUを支えているのはドイツとフランスですよね。そして、マクロンさんは確かにEU論者ですが、決して強くはないですよね。その中で12年もやってきて、そしてやはり頼りになるのはメルケルさんです。その彼女が、去年100万人も移民を受け入れてしまい、それから評判が悪化しましたが、本来はEUの理想というか、あるべき欧州の健全な姿……彼女はそれを代表しているのです。

高嶋)それ(理想)を追ってきたのですよね?

宮家)追ってきた。だけど、それが裏目に出ている。当然ですよね。難民があれだけ来れば、ヨーロッパは大変ですから。その意味では、みんな勝手なことを言って、「よく考えろ!」と。ヨーロッパのことを考えたら、大連立がいちばん良いに決まっているけれど、どうもシュルツさんは、フラフラしている。やはり支持者もいるのでしょう。

 

どこかで折り合いを付けないと、双方共倒れになってしまう

 

高嶋)メルケルさんの政策で、ドイツ経済は、相変わらず好調なのですか?

宮家)ドイツは良いですよ。景気という点では、世界同時に景気がいいので、もちろんドイツも好景気です。EUの中ではいちばん景気がいい。しかも、ユーロを採用していますから。ユーロで考えたら、ドイツがいちばん有利です。

高嶋)今度の、かなりの地盤沈下が国際政治に与える影響は、どうなのですか?

宮家)まだこの連立がちゃんと上手く行けば、そんな大きなダメージになるとは思いません。しかし、万が一再選挙になり、彼女が数字や議席を減らしたり、最悪の場合は退陣になったりしたら……

高嶋)まだ、再選挙の可能性は残っているのですか?

宮家)まだ残っていると言われています。だけど、どうでしょう? そこまでやったら互いに傷付くし、どこかで折り合いをつけなければいけないと思いますが、果たしてシュルツさんは大丈夫なのか……

 

ドイツの場合、大統領に政治的な実権は無く、シンボル的な扱いである

 

高嶋)少し本筋から逸れますが、質問です。ドイツに大統領がいますが、あれは選挙で選ばれているのですか?

宮家)そうです。

高嶋)どういう立場なのですか? この間、斡旋したでしょう?

宮家)斡旋はしているけれど、一応、立場的には中立です。しかし、あの大統領も社会民主党系の人だったと思います。だから、なかなか上手くいかないと思う。むしろ、大統領が出てきて、社会民主党に、「もう1度連立に戻ってこい」と言うのなら分かるけど、あれだけ啖呵を切ってしまったら、なかなか難しい。大統領はあくまで、「シンボル」でしかありませんから。政治的な実権はないのです。

 

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top