東欧の国ウクライナとロシアの関係って?
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11/3(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
東欧の国の政治事情
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹)
周囲を癖の強い国で囲まれた国家、ウクライナ
東欧の国である、ウクライナ。ロシアとは長く対立が続いている国であり、近年ではクリミア半島を巡って、国家間で係争状態にあります。この話題について、実際にウクライナへ取材へ行って来た、宮家邦彦さんに伺います。
高嶋)宮家さんは外交の専門家ということで、折々にいろいろなところにお出かけになる。今度、ルーマニアとウクライナの方へ行ってきたとか。
宮家)はい。私の仕事はアメリカや中国が多いので、こういう東欧に行ってみたかったのです。まあ、かわいそう……と言ったら申し訳ないですが、ヨーロッパの陸続きの小さな国々は、本当に大変ですね。周りがヘンな国ばかり。ロシア、ドイツ、それからオスマン帝国。ああいう人たちが周囲にいると、陸続きだから、やってこられたらどうにもならない。日本
みたいに海で囲まれていないですから。悲哀がありましたね。
ウクライナとロシアは付かず離れずの愛憎関係になっている
高嶋)ウクライナといえば、ロシアが黒海の不凍港を「あれは死守せねば」と、飛び地みたいなところを取ってしまって。
宮家)クリミア半島ですね。
高嶋)そうしたら、ウクライナの方ではロシア語を話す人が東にたくさんいて、ロシアとの関係は「歓迎している」と言っていて。ポロシェンコ大統領が、東から見るとちょっと異端扱い。これはどうなのですか?
宮家)愛憎、ですよ。兄貴と弟分というか……元々、ロシア系の人たちというのはキエフから出ているし、言葉も近いし、ロシアが強くなってからは、今度は逆に吸収されてロシア帝国の一部になったし。だけど、文化的にはものすごく近い。いまやクリミアはソ連崩壊して独立している。そして、やられっぱなしで「何だ!」と。「ロシアとは離れたいけど、やっぱり離れたくない」という愛憎ですね、やはり。本当にかわいそうだと思いました。豊かで、良い国ですけどね。
高嶋)自然とか、そういうのはいいのでしょうね。
宮家)あとは、ロシア聖教とは違う、ウクライナ聖教。キリスト教です。その教会のサービスに日曜日に行ってきたのですが、あんなに敬虔なキリスト教徒だとは思いませんでした。もっと社会主義の影響を受けて世俗的だと思っていたら、非常に敬虔的でした。
ロシアとウクライナの問題を仕切ったのは、実は日本である
高嶋)意外な話を書いていて。「特記すべきは、ウクライナがEUではなく、G7を重視し始めている」とか。これは、どういう意味ですか?
宮家)ようするに、クリミアを取られてしまったでしょう?西側の皆が怒っているわけです。それで、EUよりもG7を。これはどうもメルケルさんが提唱したらしいですが、G7がこのクリミア問題を強く取り上げるようになってから、ウクライナのキエフにいるG7の大使。その人たちが中心になって、ウクライナの大統領や内務大臣と直接話をして、やっていたのです。それが、「日本もG7で、去年は議長国だったから、いろいろな議論を、日本の大使がリードしていた」という話を聞いて。アジアではなく東欧の、しかもウクライナとロシアのややこしい関係を日本が仕切ったというのは、なかなか珍しいことだと思って。そういうこともあるんだな、と。
高嶋)そういう動きがあるのですか。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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