陸上男子・桐生が日本生命と所属契約。練習環境はどうなる?
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明日15日は、自身22歳の誕生日。その前祝いともいえる、記者会見が昨日行われました。来年4月1日から生命保険大手の日本生命と所属契約を結ぶことを発表。プロでもなく、アマチュアでもない。社員ではなく、企業の顔としての複数年の契約だそうです。確かに日本生命は、野球部と卓球部はあるものの、陸上選手と専属の契約を結ぶのは初めて。これも、10秒の壁を破った賜物でしょう。
9月9日、福井県福井市で開催された日本学生陸上競技対校選手権・男子100メートル決勝で、日本人史上初の9秒98をマーク。19年ぶりに伊東浩司がもつ、10秒00の日本記録を更新しました。来春の東洋大卒業を前に、この4年間を、
「半分うれしい、半分くやしいという1年間を4年繰り返したような気がする。リオデジャネイロオリンピックは、リレーでメダルを獲った。でも、個人では準決勝へ行けなかった。今年、ロンドンの世界陸上もリレーはメダルを獲ったけれど、個人は出られなかった。最後に9秒98を出せたことは良かった。しかし、9秒台を出して陸上人生は終わりではない」
と総括しています。
ただし、9秒台スプリンターの冠は大きい。これまで陸上男子といえば、人気を集めたのは、マラソンでした。ところが、長期にわたる成績不振が原因で、注目が集まるのは正月の箱根駅伝ばかり。でも、リオデジャネイロオリンピック、4×100メートルリレーで銀メダルを、今夏の世界陸上でも日本は銅メダルを獲得して、2020年の東京オリンピックでは、金メダルも-と期待されている。
桐生は、卒業後もこれまで通り、母校を拠点に練習を行っていく予定です。東洋大では、川越キャンパスへもっか、新しい施設を造成中とのこと。直線コースを増やし、人工芝のレーンまで。桐生のためにということは間違いありません。こちらも、来年春から使用が可能になります。
東洋大陸上部短距離部門のコーチ、土江寛裕(ひろやす)さんは、桐生について、
「競争というよりも、運動会の駆けっこという雰囲気で走っています」
と言います。限界ではない、まだまだ伸びしろがあるということでしょう。
当然ながら、さらなるレベルアップを目指し、来春から、「またやり直す」。2017年の世界ランクは17位です。9秒台でも、上には上が、それもズラリといます。ここからのレベルアップは、血のにじむような努力が必要でしょう。
桐生は天性の明るさが身上。昨日の会見でも、日生側へ、
「ゆずさんと共演したい」
と、CM出演をアピールしました。
「就職が決まったし、いろいろなことをやりたい」
とも。大きな舞台で度胸のいい発言をしても、何ら違和感を感じさせない。負けている時もそのような印象を与えない。心に余裕があり、表情にもゆとりがある。このあたりが桐生祥秀の魅力ではないでしょうか。ゆずと日本生命のCMに出て来る日が楽しみです。
12月14日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」