北朝鮮問題~日本は中国とどうつきあえばいいのか?
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12/29(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
国家主席の来日要請・北朝鮮との交渉のいずれも大きな進展はなし
7:18~:やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹)
自民・公明の幹事長が訪中、習近平国家主席と面会
中国北京を訪問している自民党の二階幹事長と公明党の井上幹事長は、昨日習近平国家主席と面会し、日中平和友好条約締結40周年となる来年の習主席の日本訪問を要請した。これに対し習主席は、具体的な返答は避けた。
自民党の二階幹事長と公明党の井上幹事長は、昨日の午後、習近平国会主席と、人民大会堂でおよそ20分、立ったままで面会しました。
二階幹事長は「来年、習近平国家主席の来日をお待ちしている」と述べたのですが、習近平さんは具体的な返答を回避しました。また、二階幹事長たちは、中国外交担当トップの楊潔チ国務委員とも会談し、「中国は必ず北朝鮮に核開発を諦めるように働きかけてくれると、日本国民は信じている」と述べたのですが、楊潔チ国務委員は、「対話と交渉で、平和的な解決を実現したい」と述べるにとどまったようです。
戦争の可能性は中国だけでなく、どの国も考えておかなければいけない
高嶋)北朝鮮に対して、中国がけっこう気合いを入れてきたことは事実ですかね?
宮家)確かに、緩衝国家としては大事で、核兵器を始めた頃は「しょうがないな」と思っていたかもしれないけれど、いまやICBMがアメリカに届くような状況で、中国がコントロールできていませんしね。良くも悪くも、圧力をかけるにしても中国ができることに限界があるのは事実ですよ。
高嶋)数十万の避難民を受け入れるような、そういうキャンプみたいなものを作り始めたとか。
宮家)そりゃあそうですよ。だって、数十万人も国内には行ってきたらどうするのですか。
高嶋)でも、そう言われると「ドンパチやるのか?」と思ってしまう。
宮家)そういう可能性は、中国だけじゃなく、どの国も常に考えておかなければいけない。日本だってそうです。そこを彼らは非常に防衛的に……人道的ではないですよ。むしろ、難民が国内に入ってこないようにするために難民キャンプを作り、これ以上国内の治安等に影響を与えないようにしているのだと思います。
北朝鮮問題に大きな影響を持つ中国との外交は、使い勝手が非常に難しい
高嶋)二階さんと井上さんが行ったというのはどういう意味合いでしょうか?
宮家)中国ともパイプを持っている方なのでしょう。そして、一定の対話がああいう形で行われるのは良いことだと思います。
しかし、所詮は、中国は日本と違う国益で動いているわけですから。単に「来てください」と言っても、簡単に来るような状況ではないと思います。あまり押しても動かないものについて、どこまでやるのか。譲歩する必要はないわけですから、使い勝手が難しいですよね。
高嶋)やはり北朝鮮の問題というのは当面、日本としては、来年最大のテーマになりそうです。それに関していちばん影響力を持つ中国に対して、こちらの希望通りに何とか動いて欲しいわけですから。これはちょっと、関係をよくしておかなければマズいわけですよね。
宮家)関係をよくても悪くても、中国の国益で「北朝鮮がダメだ」となったとき、彼らはそれを判断するわけです。ただ、その時代がまだ来ていない。まだまだ中国は北朝鮮を潰せません。
高嶋)備えはしながらも、まだ時期ではないと。だけど、北朝鮮のことを考えると、安倍さんはけっこうのんびりした正月を迎えそうですが、内心はいろいろテーマがあって大変でしょうね。
宮家)そうでしょうね。やっていると思います。本当は日朝より日中関係の方が大切なのですけどね
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