はれのひ社長が会見~被害者に着物は戻るのか?

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1/29(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

文字通り「無い袖は振れない」
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

はれのひ社長が謝罪会見「詐欺の意図はなかった」

はれのひ・篠崎社長)お客様をはじめ、各お取り引き先様に、多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことを、ここで深くお詫び申し上げます。申しわけございませんでした。

成人の日に突然営業を取りやめ混乱を招いた、横浜市の振袖販売レンタル業の「はれのひ」が、先週26日に破産手続きを開始し、篠崎洋一郎が記者会見した。最終的な負債額は10億円に上ると見られる。

先週26日金曜日の午後7時5分に始まった記者会見。およそ20分ほど、代理人弁護士の説明が続いた後、ようやく篠崎社長が口を開き、冒頭のお詫びとなりました。
突然の休業については「店舗の拡大で人件費が増え、成人式当日の着付け費用を支払う目処が立たなかった」と述べ、あくまでも「経営判断のミスである。詐欺の意図はなかった」と強調しました。

篠崎社長)急激な出店により、人件費コストなどが拡大し、平成28年9月期には、大幅な赤字となりました。その後対策を行って参りましたが、売り上げの減少に歯止めがかからず、成人式当日着付けの費用の支払いの目処がたたず、このような事態となりました。

18日間の長きにわたり雲隠れしていたことについては、次のように述べています。

篠崎社長)事の重大さは分かっていたのですが、私1人で何か対応しようとしても対応しきれず……調査などに時間がかかってしまったことで今日に至ってしまいました。「どこにいたか」と言うことに対しては、知人のところにおりまして。隠れるつもりはなかったのですが、そのように見えたことで、世間にお騒がせしたことは、非常に申しわけなく思っております。

その他会見では、たとえば「お詫び以外に言うことはないか」とか「娘を持つ親が自分だったらどうだったか」とか、記者からは「ウェットな質問が多かった」という声もありました。代理人弁護士の話では、負債総額は6億3,500万円。これにお客様の損害分を含めると、10億円に上ると見られます。破産手続きがスタートしたことで、お客は被害者であると同時に「債権者」にもなってきます。その債権者はお客さんも含め1,600人。着物は転売されておらず、およそ1,200着あり、「今日から順次返還していく」とのことです。
関心があるのは、「その他の支払った代金が戻ってくるかどうか」ですが、これは非常に厳しい状況になりそうです。

篠崎社長)正直、私の資産はございません。まあ、数十万はございますけれども、それ以外はこの事態だったので、ほとんど会社の方に入れてしまって、ここ1年の間にですね。

篠崎社長の個人資産はわずか数十万程度。会社の資産としては、お客さんが付いていない状態の着物が200着ほどあるそうですが、「これがいくらで現金化できるかは非常に分からない」とのことで、そういう意味ではやはり、被害者救済というのは、厳しい側面があると思います。会見場の後方で篠崎社長を見ていたのですが、一言で言うと、ちょっと太った印象と言いますか、スーツのボタンが留まらない状態でした。両隣にいた代理人弁護士は膝にキチッと手を置いて座っていたのですが、篠崎社長は右手はマイクを持っていましたが、左手はだらん、と下げたような状態で、これがどういう状況や意図があったのかは分かりませんが、何となく、姿勢としてはだらしない格好に見えたのが、正直な印象でした。

はれのひ社長が会見~被害者に着物は戻るのか?

税金滞納分を支払ったら、被害者に賠償する資産はまったく残らない

高嶋)「資産がなければ、賠償も難しい」ということですか?

須田)そうですね。被害者の人も、一般債権者になるのですよ。銀行や着付け代金、そういった出入り業者と同じような、一般債権者となる。
ところが、税金が一番最初に持って行かれるのです。それで、税金の滞納分が、相当あるのですよね?

畑中)5,500万円と、代理人弁護士は話していました。

須田)おそらく、それを払ったら資産がまったく残っていない状況にあるのではないかな、と。「200着着物がある」と言いますが、着物は、本当に二束三文なのです。売ろうと思っても売れないのです。
昨日の記者会見を見てみると、もっと複雑な背景があるのかと思いましたが、実際はもう資金繰りに失敗した、典型的な潰れた会社の社長。言うなれば、「男はつらいよ」のタコ社長みたいなものだな、と思いました。

はれのひ社長が会見~被害者に着物は戻るのか?

詐欺などの罪を問われる可能性は低い

高嶋)これだけの大騒動で、しかも大変な無責任さ。成人の日当日に「そういうことが分かった」とか……こういうものに対する責任はどうなのですか?

須田)まあ、とれないでしょうね。普通は「金銭的な賠償」になるのでしょうけれど、無い袖は振れないので、あとは謝るしかない。

高嶋)それで、もう済んでしまうのですか。犯罪に問われることは?

須田)隠し資産や浪費があれば詐欺に問えるかもしれませんが、どうもあの風貌を見ていると、そんなものは無さそうですからね。

畑中)よく比較されるのが「てるみくらぶ」の例です。あれの逮捕容疑は「お客さんに対する詐欺」ではなく、「粉飾決算書類を持って、銀行から融資金を騙し取った」という容疑ですから。今回の件は隠し資産などがあれば別ですが、会見を額面通り聞いた限りでは「詐欺の意図はなかった」、「不正融資に関しても否定している」、「個人資産もほとんどない」ということですから、犯罪には問われない状況になるのではないかな、と。

高嶋)訴訟は起きると思いますけど、文字通り無い袖は振れない……

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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