受動喫煙対策案~なぜ自民党は“例外的な飲食店喫煙”を押すのか?
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1/31(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
禁煙推進派からは「後退」との声も
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
厚生労働省が受動喫煙の新たな対策案を発表
厚生労働省は昨日、受動喫煙防止の為ファミリーレストランなどの大手チェーン店や新たに開業する飲食店を原則禁煙とすることなどを盛り込んだ新たな対策案を発表した。しかし例外的に喫煙を認める飲食店を当初の案より多くする方向で調整しており、禁煙推進派から「後退だ」と懸念の声が出ている。
厚生労働省の推計によると、受動喫煙が原因で国内では年間1万5,000人が亡くなっています。またWHO(世界保健機関)とIOC(国際オリンピック委員会)は2010年に煙草の無いオリンピックの推進を掲げている他、公共の場所全てを“屋内は全面禁煙”としている国は55カ国に及んでいます。
こうした流れを受けて厚生労働省は昨日、ファミリーレストランなどの大手チェーン店、新しく開業する飲食店は原則禁煙にして、飲食のできない「喫煙専用室」を設置した場合のみ喫煙できるという受動喫煙防止の為の新たな対策案を発表しました。また吸う人が急増している加熱式煙草も規制の対象にする他、病院や学校・大学・官公庁は原則敷地内も禁煙として、喫煙専用室の設置も認めないとしています。
一方で経営規模の小さな既にあるお店で一定の面積以下の場合は例外的に喫煙を認めます。具体的な面積は明示していませんが、150平方メートル以下を軸に自民党と厚生労働省が最終調整をしています。去年3月の当初の案では喫煙を認める飲食店の広さを30平方メートル以下にする予定でしたが、そのときには自民党の一部議員が反対して大幅に面積が広がりました。東京都の調査によりますと、30平方メートル以下の店は3割程度ですが、これを150平方メートル以下に広げると9割以上の店で喫煙がOKということになりまして、日本癌学会の幹部は「これではザル状態だ。意味のある予防には繋がらない」と訴えています。
厚生労働省としては、今の国会で法案を成立させる為に自民党に譲歩した形と言えそうです。
一方オリンピック開催地の東京都は国より厳しい条例案を今度の2月の議会に提出する予定でしたが、意見公募では反対が賛成を上回り、東京都の条例化も先送りとなりました。小池知事はコメントで「国の考え方と整合を図っていく必要がある」としています。
禁煙問題~経済問題ではなく健康問題として考えなければいけない
高嶋)世界的に考えれば先進国の屋内は皆禁煙です。これはもう揺るぎ難い事実であって、それを150平方メートル以下が良いとか、そういうことを言っていること自体が日本は外国から見れば後進国だと見られてしまうし。
だけど煙草を吸っている経験のある私にすると、どこかで吸えない喫煙者というのは非常に辛いですよね。鈴木)僕も5年くらい前は1日60本くらい吸っていましたから喫煙者の方の気持ちはわかります。政策としても考える場合に、健康問題なのかそれとも経済問題、つまり飲食店の経営がどうなるとかなのか、どちらなのかと考えたときに、この問題の政策的・法律的建付は健康から入らなければいけない。
煙草を吸う人たちにも、吸う権利はあるし思いもあるわけです。だけど吸わない人たちからするとこれがいかに迷惑なものか、つまりそちらからのアプローチでこの問題は考えないといけない。吸う人たちがどれだけ譲れるかというところがポイントだと思います。高嶋)受動喫煙云々って騒いでいる方たちも「そこまで言うわけ?」ということまで言うのですよ。例えば煙草を吸っていた人が席を外して、その次にその椅子に座ったらそれでけっこうな受動喫煙になるのだとか。
これはどうしますか? 国会で決めることですから。議員がけっこう吸いますよね。鈴木)自民党の議連なんかもそうですけどやはり吸う人も多くて、でもやはり吸う人には吸わない人の気持ちは分からないし吸わない人には吸う人の気持ちは分からない。
さっきも言ったようにこの問題の建付は健康でしょう。そこから考えてどこまで譲歩できるかを考えなければいけないのだけど、どうもこの案を見ていると喫煙サイドにかなり重心が置かれている感じはしますよね。自治体の条例と国の法律は分けて考えるべき
高嶋)小さい居酒屋さんとかが商売上がったりにならないように配慮しているということですが。番組の中でお医者さんが毎週いらしていろんなことを話しますけど、煙草については1人として「それは良い」と言った人はいないですよ。
鈴木)最後は政治決断になってくるわけです。各自治体がやる条例と国の法律とありますよね。実際に東京都はオリンピックもあるし厳しい条例を作ろうとしていた。でもここへ来て小池さんがちらっとおっしゃった「国と整合性を」というのは僕は違うと思いますね。
東京都は東京都で厳しいなら厳しいで独自の条例を作るべきです。それが国を動かすかもしれないし国とは整合性が取れなくても、喫煙というのはある意味地域の問題。区とか市で「我々の市では厳しいですよ」というところがあるじゃないですか。そういうところからまた考えていくきっかけにもなるわけだから、何も国に合わせてやる必要も無い。その辺をどうして譲ってしまったのかなという気はします。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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