受動喫煙対策法案~なぜ30平米以下の店は喫煙可能?高嶋ひでたけのあさラジ!

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4/24(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

受動喫煙対策法案、全く進まない議論!塩崎大臣が頼りにした総理官邸も知らん顔!
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

受動喫煙NO


受動喫煙対策法案で困るのは分煙対策のできない小規模飲食店事業者

高嶋)塩崎大臣が受動喫煙対策法案を今国会提出ということですが。政界にはタバコが好きな人も多いですよね。

須田)いますよね。タバコが好きな方も多いですし、あるいはタバコ農家を票田としている国会議員の方もいらっしゃいます。

高嶋)それでいろいろと細かいことを決めているようですが、正式には“健康増進法改正案”というのですか? 飲食店は原則的に禁煙とか、受動喫煙が云々とか、いろいろ言われておりますが、今一番困っている所はどのようなところですか?

須田)一番困っているのは中小規模の飲食店業者ですね。たとえば受動喫煙防止、ということで分煙対策をしなければいけない、とかね。小規模の飲食店には、機械やパテーションを使って分煙できるようなスペースは無い。あるいは、それだけに多額のお金をかけることができない。そういったルールが導入されると、たとえば神奈川県では東京より先にその制度を入れたのですが、けっこう皆さん困っているみたいですね。

高嶋)松沢知事が命懸けでしたからね。

須田)「タバコが吸えないなら家で呑むか」と言って、家飲みが増えてしまったという話もあります。

高嶋)当然、そうなりますよね。

須田)そうはいっても2020年の東京オリンピックに向けて、世界標準まで受動喫煙対策をやっていかなければならないというWHOの方針もありますので、塩崎さんもこういった法案を出そうとしているのです。ただ、自民党の中の厚生労働部会。ここの了承を取り付けなければ、いかに内閣提出の法案としても、いまの議院内閣制の下では提出できない。それで、厚労部会が開けない。厚生労働省案、塩崎案を提出するのはままならない。いまそういう状況にあって、大混乱に陥っています。

高嶋)厚生労働省の案と、たばこ議連の案。見比べると、たばこ議連の案の方が緩めになっていますよね。それは国対の竹下さん辺りをはじめとして、結構タバコを吸う人が多いということでしょうね。


30平米以下の店は喫煙可能という不可思議

須田)そうですね。ただ、この厚労省案というのは、何かおかしいのです。たとえば、喫茶店や居酒屋に関しては、原則としては屋内禁煙なのですが、「例外として専用の喫煙ルーム、座るスペースも無いようなところで吸うのはOK」と。ただ、先ほど申し上げた通り、小規模事業者に対していうと、こういったスペースを作る場所も無い。お金も無いということで、もう一つ例外が設けられていて、「30平米以下の店では、その限りではない。喫煙可能」となっている。

高嶋)このやり取りの真相が面白いですね。安倍総理も何か、意見を述べたとか。

須田)そうなのです。「どうして30平米?」と思って取材していくと、塩崎さんが閣議決定しなければいけないから、安倍さんの了解を求めに行ったのです。両者は仲良い状態にありますからね。それで、安倍さんの頭の中には先ほどの神奈川県での“小規模事業者が結構大きな被害を受けた”という実例が頭の中にあったので、「塩崎さん、世の中には女将が1人でやっている居酒屋やBARがあるんだから、そういったところには配慮しなければ駄目だよ」と言ったそうです。すると塩崎さんは「なるほど! そこに配慮すれば安倍さんはOKなんだ!」と持ち帰って、厚生労働省に「個人経営の居酒屋の規模ってどれくらいなのか?」と言ったら、だいたい30平米以下が、そういう状況だったのです。

高嶋)だけど、これはおかしいじゃないですか。「女将1人でやっている30平米以下の店はタバコ吸っても良い」、「焼き鳥屋やおでん屋は子連れが多いので全面禁煙」

須田)どうしてだろう? やはり頭のいい人、エリートは突拍子もないことを考え出してくるな、と。それだったら、「おでんを扱っているスナックはどうなるの?」というね。

高嶋)おでんはだいたいが1人で経営しているじゃないですか。そういうことで、すんなりいきそうで、いかない。しかし、オリンピックを控えているから、国際的に通用するような法律にしないといけない。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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