平昌五輪閉会~北朝鮮は今後どう動くのか?

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2月27日(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

オリンピック・パラリンピック後、米朝の関係は?
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター高橋和夫(国際政治学者・放送大学教授)

菊池彩花 佐藤綾乃 高木菜那 高木美帆 小平奈緒 吉田知那美 羽生結弦 鈴木夕湖 宇野昌磨 吉田夕梨花 藤沢五月 本橋麻里

【平昌五輪2018】記念撮影に臨む(左から)菊池彩花、佐藤綾乃、高木菜那、高木美帆、小平奈緒、吉田知那美、羽生結弦、鈴木夕湖、宇野昌磨、吉田夕梨花、藤沢五月、本橋麻里=2018年2月26日午後、成田空港 写真提供:産経新聞社

平昌オリンピックから日本選手団が帰国

平昌オリンピックの日本選手団のメダリストらが昨日、東京都内で帰国会見を開き、選手団の主将で、スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手は選手団全体の活躍を強調した。今回の大会で日本は冬のオリンピックで最も多い金銀銅合わせて13個のメダルを獲得した。

平昌オリンピックの日本選手団は昨日の午後、韓国からのチャーター機で帰国し、成田空港にはおよそ1,000人のファンが出迎えました。その後、メダリストたちは東京都内で帰国会見を開きました。この中から選手団の主将でスピードスケート女子の小平奈緒選手、フィギュアスケート男子の羽生結弦選手、そしてカーリング女子の藤澤五月選手のコメントです。

小平奈緒選手)沢山の競技で皆さん綺麗な花を咲かせて下さったので、またこのメダルを輝かせることができるような競技生活を今後も皆で送っていけたら良いなと思います。

羽生結弦選手)これからまた治療だとかリハビリだとか、そういう基礎のところってすごく辛い時期だと思いますし、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。ただ、そういった苦しい時期を乗り越えて、また次のことに向かって前に進んで行けたらいいなという風に今思っています。

藤澤五月選手)私たちは表彰式の前に決勝戦を観戦していたのですが、同じアジアの韓国チームの戦いを見て正直悔しい想いも込み上げてきました。

森田)華やかな会見ではあったのですが、羽生選手はこれからまた治療。そしてカーリングは銅メダルに悔しさもあったようです。日本選手団は今日、東京都内で解団式を行う他、メダリストたちは文部科学省を訪れて帰国の報告を行います。
一方、北朝鮮の選手団や応援団など合わせて299人も昨日、陸路で北朝鮮に戻りました。アイスホッケー女子で合同チームを結成した南北の選手たちは抱き合ったり涙を流したりして別れを惜しんでいました。また、昨日は来月9日に開幕しますパラリンピックに出場する日本選手団の結団式も行われました。このパラリンピックにつきましては韓国と北朝鮮が今日午前、北朝鮮選手団派遣について局長級の実務者会議を板門店で開きます。北朝鮮はパラリンピックに選手団や応援団・芸術団合わせて150人を派遣する方向です。ところでアメリカ国防総省のマニング報道部長は26日、記者団に対し延期している米韓合同軍事演習について、パラリンピックの後に実施することで米韓は合意済みだとする一方、演習の時期や規模については、米韓両国の協議次第だという見解を改めて示しています。

小平奈緒 李相花 スピードスケート 平昌 五輪 オリンピック 2018

【平昌五輪2018】スピードスケート 女子500m 小平奈緒 左は李相花(イ・サンファ 韓国)=2018年2月18日、韓国・江陵オーバル 写真提供:産経新聞社

平昌オリンピックを最大限に利用した北朝鮮

高嶋)今回は稀に見る政治色の強いオリンピックだとそういう批判もあるわけですが、小平奈緒選手と李相花選手の光景、さすがの韓国国内でもあれは実に好意的に報道されたようです。これが何かのきっかけになりますかね。あれはあれですかね?

高橋)あれはあれなのですが、領土問題をはじめいろいろありますが、日韓別に言い争う必要はないわけで、問題は棚上げにして他の面で付き合って行こうという常識が表に出て来るのではないかという希望を抱かせる映像でしたよね。

高嶋)北朝鮮は閉会式に副委員長の金英哲を派遣して、保守派の反発がすごかったようです。

高橋)そうですね。ある意味北朝鮮はこのオリンピックを本当に政治的に利用し尽くそうとしたと思いますね。映像的にはある程度成功したと思いますが、実質的にはどういう譲歩を日本から韓国からアメリカから勝ち取ったのかというと、それはまだ見えていないので、北朝鮮が一人勝ちというわけでもなかったような気もしますけどね。

高嶋)北朝鮮がテーブルに就くようなことを言っていますが、話し合いはこれから発展していくのでしょうか。

北朝鮮 応援団 アルペンスキー 男子 回転

アルペンスキー男子回転の会場で、国旗を振って声援を送る北朝鮮の応援団=2018年2月22日、韓国・平昌(共同) 写真提供:共同通信社

これからの米朝関係は?

高橋)それが問題です。アメリカは北朝鮮のミサイル開発・核開発を問題にしたいけれど、北朝鮮はそれを問題にしたくて、もうそれは認めて欲しいということなのですね。最大の問題点は北朝鮮が既にかなりのミサイル技術を持っているわけですが、本当にミサイルが宇宙から大気圏に再突入するときに燃えずに兵器として機能するのかというのはまだ完全に証明されていない。だからその実験をやるのかやらないのか、やるとしたらいつなのかということが一つの焦点で、それがこれからこの問題を考えて行く上でのポイントになる。

高嶋)その部分は北朝鮮はやり切らないとアメリカに対して100%の説得力を持たないです。クエスチョンマークのままではね。

高橋)そうなんですよ。ですからアメリカはそこを見てる。それが一つの交渉の焦点でしょうね。北朝鮮は実験をしない、アメリカは何らかの制裁を解除するというようなことが落としどころかなとは思いますが。アメリカは最悪に備えて戦争のシミュレーションは何度もやっているようですね。

高嶋)北朝鮮は押したり引いたり、そういうテクニックが非常に上手くて、今回のオリンピックについても向こうから言えば存分に利用したという気はあると思います。それをプラスに転じて、北朝鮮の国益に繋げるようなことで、アメリカもやられちゃいますかね、どうです?

高橋)そこのところはまだ見えないですね。普通ならアメリカの反応は割とシンプルに見えるのですが、トランプさんですからね。あの人は何を考えているのか、何を言ってるのか、本当に北朝鮮の話に乗せられてるのか、ちょっと見えない。あのトランプさんの読めないところがある意味、外交的にはアメリカの一つのポイントになっているのかもしれないですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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