その魅力は無限大! 松坂桃李出演映画4選
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第380回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、松坂桃李を大特集。
連続テレビドラマ「わろてんか」ではヒロインである北村てんの夫・藤吉役を好演。「好青年」「正統派俳優」といったイメージが強かった彼ですが、近年は映画を中心にイメージを覆す役どころにも積極的にチャレンジしています。
そこで、大きな変化期を迎えようとしている俳優・松坂桃李の出演作をクローズアップしてみました。
爽やか! イケメン!! だけじゃない、松坂桃李を徹底追及。
「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンレッド役でデビュー後、数々のドラマや映画に出演し、爽やかな魅力で観る者を虜にしてきた松坂桃李。初期の映画出演作の中で私が特に印象深いのが『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』です。
原作は東野圭吾のミステリー小説「加賀恭一郎シリーズ」。東京・日本橋で起こった殺人事件の謎に挑む主人公・加賀の姿と、事件に絡む人々の深いきずなを描いていくミステリー映画で、事件の裏に潜む家族や恋人との関係性なども濃密に描くことで、謎解きの面白さはもちろん、ヒューマン・ドラマとしても見応えのある作品です。
そんな本作で松坂桃李が演じるのはなんと、名優・中井貴一の息子役。大手企業の本部長でごく一般的な家庭の良き父親でもある青柳武明が殺害されるところからストーリーは始まり、そんな父との確執に悩む高校生という役どころを若手とは思えない的確な芝居でじっくりと魅せています。
ちなみに本作には、菅田将暉、山崎賢人、竹富聖花ら、現在大活躍の若手俳優たちが揃って出演。彼らの“さらに若き日の熱演ぶり"に触れられるという、ちょっとした“お宝”ムービーとなっていますよ。
「日本ミステリ史に残る、今世紀最高の悪徳警官小説」と評され、瞬く間にベストセラーとなった同名小説を映画化した『孤狼の血』。昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島・呉を舞台に、組織間の激しい抗争を描いた衝撃作。
警察小説と仁義なき戦いを掛け合わせたようなバイオレンス、かつアウロトーな世界観で、昨今のコンプライアンスを過度に重視する日本の映像業界と現代社会に対する新たな挑戦状とも呼べる一作です。
本作で松坂桃李が演じるのは、エリート新人刑事・日岡秀一。手段を選ばない捜査方法から、やくざとの癒着など黒い噂が絶えない役所広司演じる先輩刑事・大上章吾のやり方に疑問を持ち、もがき葛藤しながらも、刑事として成長していく姿を情熱的に演じています。
『孤狼の血』でメガホンを取った白石和彌監督と組んだ作品として記憶に新しいのが『彼女がその名を知らない鳥たち』。
松坂桃李が演じたエリートサラリーマン・水島はゲス中のゲス。(褒め言葉です。)自己中心的で俺様きどり、蒼井優扮するヒロインをすっかり“その気”にさせてしまうペラッペラな男性像は、これまで彼が演じた、どのキャラクターよりも強烈でした。
しかもイケメンだからこそ、そのゲスっぷりに説得力が増すというオマケつき。爽やかな“怪演”は、松坂桃李だからこそ成せるワザ?!
そしていよいよ公開となるのが、『娼年』。2016年8月に三浦大輔演出、松坂桃李主演で舞台化。俳優陣が観客の目の前で一糸まとわず"表現"するというセンセーショナルな内容で話題騒然となり、全公演即ソールドアウトとなった伝説の舞台を、三浦×松坂のコンビで完全映画化しました。
大学生活にも退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている主人公・リョウが、娼夫として様々な愛の形に触れることで、ひとりの男性が人として成長していく姿を、松坂桃李がいかに演じるか。ご期待ください!
<作品情報>
麒麟の翼〜劇場版・新参者〜
Blu-ray&DVD発売中
監督:土井裕泰
原作:東野圭吾(講談社刊)
出演:阿部寛、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃李、菅田将暉、山崎賢人、柄本時生、竹富聖花、聖也、黒木メイサ(友情出演) 、山﨑 努(特別出演)、三浦貴大、劇団ひとり、秋山奈津子、鶴見辰吾、松重豊、田中麗奈、中井貴一 ほか孤狼の血
2018年5月12日から全国ロードショー
監督:白石和彌
原作:柚月裕子(「孤狼の血」角川文庫刊)
出演:役所広司、松坂桃李、真木よう子、中村獅童、竹野内豊、ピエール瀧、石橋蓮司、江口洋介 ほか
©2018「孤狼の血」製作委員会
公式サイト www.korou.jp彼女が知らない鳥たち
2018年4月25日Blu-ray&DVDリリース
監督:白石和彌
原作:沼田まほかる(「彼女が知らない鳥たち」幻冬舎文庫)
出演:蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、村川絵梨、赤堀雅秋、赤澤ムック、中嶋しゅう、竹野内豊 ほか
©2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
公式サイト http://kanotori.com/娼年
2018年4月6日からTOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー
脚本・監督:三浦大輔
原作:石田衣良「娼年」(集英社文庫刊)
出演:松坂桃李、真飛聖、冨手麻妙、小柳友、猪塚健太、桜井ユキ、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣 ほか
©石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会
公式サイト http://shonen-movie.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/