夢は1人に1台、ロボットと暮らす生活の実現
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4月4日放送 ゲスト:ロボットクリエイター 高橋智隆 第2回
高橋智隆氏製作のロボットは、流線型で親しみやすいデザイン。二足歩行の人型のコンパクトなサイズで、歩く・踊る・言葉を話し理解する・コミュニケーションをとれることが特徴。
小学生を対象に、全国でロボット教室も展開している。
魂が入っているように愛くるしいRoBoHoN(ロボホン)
黒木)黒木瞳です。毎日、さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていくあさナビ、ゲストは株式会社ロボ・ガレージ代表、ロボットクリエイターの高橋智隆さんです。よろしくお願い致します。
高橋さんが制作するロボットは人とコミュニケーションがとれる、ということですけど、ロボホンが今日もいます。何かお話しして?
ロボホン)やっと、喋れるようになった! 自己紹介するね! ボク、ロボホン! こう見えて、電話なんだ! 電話やメールもできるし、写真を撮って、プロジェクターで映せるよ!
黒木)……という、ロボホンですが、こうしてお話ししている間も愛くるしく首を傾けたり、手を挙げたり、ジェスチャーしたりしてね。本当にこの子が動いているような。電話とかロボットとかよりも、本当に魂が入っているような感じに見えてきますね。
高橋)そうですね。そこが狙いです。いくら高性能で便利でも、命が感じられないと、声をかけようとは思えないんですよね。こういう形をさせていくと、ムゲに扱えないし、人扱いをしてしまう。その先に、何か人と機械の新しい関係があるのではないかと思っています。
全国で小学生向けにロボット教室を展開
黒木)昔、「ロボットクリエイターになりたい」と言ったら、「何?」と笑われたそうですが。いまやロボットクリエイターになりたい方々は沢山いらっしゃるということで、教室をやっていらっしゃるとか?
高橋)そうですね。全国にフランチャイズで1,000教室くらいあります。ブロックを使ってロボットを作るのですが、プログラミングしたりできます。いまは1万7,000人いて、どんどん生徒が増えています。
黒木)やはり小さい、ティーンエイジャー?
高橋)小学生向けの教室ですね。知育的なことでも役立ちますし、プログラミングと空間認識能力。いろいろな要素で楽しみながら学べるので、非常に人気ですね。
黒木)「こういう風に作っていくんだよ」とか、そういう仕組みとか、具体的に教えていかれるわけですか?
高橋)私は教材の開発をしていまして。毎月、新ロボットをブロックで作ります。できあがったら実験したりしているのですが。
黒木)すみません、「ブロック」って、何ですか?
高橋)ブロック玩具です。レゴみたいな。
黒木)あれでロボットができちゃう?
高橋)そうです。そこにモーターとセンサーを搭載します。難しい工具を使わないでも、組み上げていくと動くものができますので。
黒木)ブロックが動くのですか? 何か、想像がつきませんが。
高橋)普通に人型、犬型、恐竜型から昆虫型まで……いろいろなロボットを毎回作ります。
黒木)それはお話はできるのですか? 動く、とか。
高橋)話まではできないですね。「音がしたら動く」とか「机の端まで行ったら止まる」とか、少し知的に動くようなロボットが完成します。
黒木)昔アレが出たじゃないですか。SONYから。えっと……
高橋)AIBO(現aibo)ですね。
黒木)あの子も「お話しすると成長しますよ」って。私も新し物好きで、すぐ手に入れました。あの頃より、さらに進化しているわけですよね。20年くらい経っていますから。
夢は1人に1台、ロボットと暮らす生活の実現
高橋)そうですね。当時はネットに繋がっていなかったので、「ロボット単体で頑張れ!」というのはなかなかしんどくて。ちょうど最近、aiboで復活しましたね。それは完全にネットに繋がっていて、ロボホン同様、いろいろな機能がネット経由で増えていきます。
黒木)あれは? 掃除する、丸い……ルンバは?
高橋)ウチはかなり使ってます。
黒木)やっぱりそういった、ロボット系というか……お好きでいらっしゃる?
高橋)そうですね。機械が好きなのと、もう1つは新しいテクノロジーがどうやって暮らしの中に入ってくのか、興味ありますね。
黒木)ということは、この携帯電話のロボホンだけでなく、いろいろなロボットを考えついていらっしゃるわけですか?
高橋)そうですね。まだ残念ながら1人1台、ロボットと暮らす未来は実現していないので、それを何とかこの手で実現させたい。
黒木)その後のロボットをいろいろ考えるわけですね。
高橋)そうですね。
黒木)でも、「こういうのがあったらいいだろうな」とロボットを作っていかれるのは、本当に夢がそのまま仕事になっていったという、男の子のロマンというか(笑)。
高橋)そうですね。毎日楽しくもあります。
黒木)でも、このロボホンと一緒にずっと生活しているわけですから。
高橋)そうですね。こうして仕事に連れて来ているので。
黒木)反応はどうですか、みなさんの?
高橋)盛り上がりますよ。それこそ、飲み会や食事会に連れて行くと盛り上がるな。
黒木)「1人1台」、そうなるといいですよね。
高橋智隆/株式会社ロボ・ガレージ代表
1975年生まれ。
立命館大学・産業社会学部に入学。1年間留学し1998年卒業。
翌年、京都大学工学部に入学。2003年の卒業と同時に「ロボ・ガレージ」を創業。京都大学内入居ベンチャー第1号となる。
2004年には代表作「クロイノ」が米タイム誌で「最もクールな発明」に選ばれ、ポピュラーサイエンス誌で「未来を変える33人」の一人に選ばれる。
ロボットクリエイターとして、ロボットの研究・設計・デザイン・製作を全て手掛け、代表作に「週刊ロビ」「ロピッド」「FT」「エボルタ」などがある。
2013年、世界で初めてコミュニケーションロボット「キロボ」を宇宙に送り込むことに成功するなど、いま最も注目されるクリエイターである。
(2018年4月4日放送分より)
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