江戸時代に流行した絵師の遊び心満載の“判じ絵”
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江戸時代に流行した絵師の遊び心満載の“判じ絵”
小さな頃に一度はハマったことがあるでしょう、なぞなぞ。不思議な質問に頭をひねって謎を解く、その魅力が詰まった遊びが江戸時代に流行したことはご存知でしょうか? その名も“判じ絵”(または“判じ物”)。視覚と頭脳で楽しむ絵の遊びです。もとは平安時代の言葉遊びからという古い歴史を持ちます。天保の改革によって風紀の取り締まりが厳しくなり、役者や遊女を描けなくなってから人気が出ました。かの有名な喜多川歌麿などの絵師が絵の上の隅に小窓のように判じ絵を載せ、そのことが発端になり、上方が判じ絵入りの着物や手ぬぐいを好んだことで江戸の人々の心に火がついて広まりました。
判じ絵は、問題の答えの単語を、バラバラにした絵を組み合わせて表現してあります。答えと絵の内容は関係がありません。音読みと訓読みの違いを活かしてしゃれを利かせたり、絵の一部を欠けさせて音を省く「文字抜き」をしたり、絵を逆さまにし「逆さ読み」したり、絵に濁点や半濁点をつけて読みを変えたり……このような判じ絵独特のルールがあります。他にも、人間のような動物が登場するなどありえない様子を描いたり、決まりごとで「この絵が出てきたらこう読む!」というものもあります。
江戸時代の人々のユーモアを感じて面白いですね。ルールを知れば楽しめる判じ絵。現代の“絵師”さんたちにも是非腕前を披露していただきたい、そんな江戸時代の“絵で楽しむ”なぞなぞでした。
さて、夏が近く感じるような日は、ちょっと涼しいところで美術鑑賞はいかがでしょうか? 千葉市美術館では、5月20日(日)まで、「百花繚乱列島・江戸諸国絵師めぐり」を開催中です。
江戸時代中後記、全国津々浦々から、その土地の出身や、藩の御用を勤めた絵師など、いわば「ご当地絵師」が活躍したのをご存知ですか? 今回は北海道から長崎までの個性あふれる実力派の御当地絵師 総勢80名の作品や、上方や長崎で製作されたご当地の版画作品まで、190点が一堂に会しています。
画人たちの活発な交流によって広がる世界は、まさに百花繚乱! 各地 一押しの絵師との出会いを通して、江戸絵画をご堪能くださいね。詳しくは、千葉市美術館 電話043-221-2311までお問い合わせ下さいね!
百花繚乱列島・江戸諸国絵師めぐり
観覧料:一般1,200円(960円)/大学生700円(560円)/小・中学生、高校生無料
開館時間:日~木曜日 10:00~18:00/金・土曜日 10:00~20:00
※入場受付は閉館の30分前まで
5月20日まで開催
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2018/0406/0406.html
【ハロー千葉】