南太平洋地域安全保障対策~日本はどのように役割を果たすのか?

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6/4 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!④

キーワードは「戦略アクションアジェンダ」
7:27~教えて! ニュースキーワード:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

宋永武 国防相 マティス 米 国防長官 小野寺 防衛相 シンガポール

会談前に握手する(左から)韓国の宋永武国防相、マティス米国防長官、小野寺防衛相=2018年6月3日、シンガポール(共同) 写真提供:共同通信社

注目される日米豪での南太平洋地域の安保対策

日本からは小野寺五典防衛大臣が参加している、シンガポールで開催のアジア安全保障会議、通称シャングリラ対話。アメリカのマティス国防長官が演説で、「中国の南シナ海における政策は、アメリカの戦略が促進する開放性と明確に反する」と述べ、南シナ海の軍事拠点化を強引に進める中国を名指し、厳しく批判した。日本・アメリカ・オーストラリアが海洋安全保障に関する指針「戦略アクションアジェンダ」を策定することで合意している。

飯田)アジア安全保障会議。南シナ海の問題は毎年議題にあがりますが、今回はかなり強くアメリカが中国を非難しているということです。

須田)当然といえば当然ですが、特に米軍再編問題とワンセットになっていて。南太平洋地域において、これまではアメリカが主導というか中心になって一国で安全保障を進めてきたわけですが、これから日米豪でこの南太平洋地域の安全保障対策を進めていこう、という意味において、今回のシャングリラ対話は大きく注目されているわけです。

日本は役割分担をどう果たしていくか

須田)いまのアメリカは負担している軍事費と自国の経済規模を比較すると、圧倒的に軍事費が突出してしまっている。これを削減・縮減していくのが、日米豪の協議の、最大の目的です。中国の南シナ海進出に対して懸念を表明し、これに対して封じ込め作戦をとっていく。当然、航行自由化作戦はあります。
では日本は何をやるのか。実際問題、何を行動するのかが、今後問われると思います。

飯田)憲法や国内法制の縛りを考えると、「演習は出来ても実際の作戦行動が可能か?」に突き当たりますよね。

須田)中国の南シナ海進出を懸念している場合ではなく、日本としてはどういう役割分担をこれから果たしていくのかが、大きなポイントとなってくると思います。

中国と日米だけでなく、第3要素として東南アジア諸国も深く関わってくる

飯田)現実的に安全保障法制の枠組みのなかで考えると、補給とかそういうのを肩代わりするのが現実的な選択肢ですかね?

須田)アメリカの要求の中身がまだ見えないだけに、その辺を見ていく必要がある。
もう1つ、「南シナ海の対立構図は、中国と日米だけなのか?」となると、第3要素として、たとえばフィリピン。どちらにも組せず独自行動をする。ドゥテルテ大統領はアメリカの航行自由化作戦に対して懸念というか、批判しているわけですからね。なので、ここの2項対立では済まない問題。東南アジア諸国の地域の希望も、要素として加わってくるのです。

飯田)アメリカは「太平洋軍」と言っていたのを「インド太平洋軍」に変えてきて、地域を明確に広くした感じはありますね。

須田)広くして、コストを下げているのです。インド洋地域については、アメリカ・インド・日本ですからね。ここでも日本での役割。ですから、何故あそこで安全保障法制が変わったのか、考えていかないといけないと思います。

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