中国が軍事基地増強~台湾に向けて牽制のメッセージ

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5/21 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!④

中国福建省~水門空軍基地
7:27~教えて! ニュースキーワード:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

今回は尖閣よりも台湾を牽制

中国が尖閣諸島から約380キロに位置する福建省の水門にある空軍基地の機能を大幅に拡充させていることが、アメリカの軍事情報誌の分析で判明した。日本や台湾をにらむ作戦拠点として基地の増強を図っているようだ。

飯田)台北まではおよそ250キロで、尖閣までがおよそ380キロ。メールも頂いています。「尖閣や台湾海峡をにらみつけるような近い位置に、かなりの規模の部隊を配置しているようですね。先日も宮古海峡を爆撃機中心に編隊を組んで通過していましたが、那覇基地と尖閣の間よりも40キロも近い位置に基地があるのは、脅威じゃないですか?」と頂いています。
中国の軍事増強ですが、南シナだけでなく東シナも本気になってきている感じですか?

須田)そうですね。ただ、こうした「軍事基地が増強しているぞ」とメッセージを送るのが1つの大きな目的なのかな、と思います。この場合は尖閣と言うより、やはり台湾です。アメリカの国内法により、台湾との関係が強化されつつある。それに対する一定の牽制だと見ています。その意味では、アメリカの軍事情報誌が分析してそれを公表している部分も、アメリカは非常にこの問題にナイーブに反応しているところだと思います。

飯田)台湾海峡というと、かつて「掃討戦をやろう」と、ミサイル実験や訓練をして威嚇していました。そこにアメリカの空母が現れ、当時の中国は一気に退いた。現代ではそうならない可能性もありますね。

須田)あのときは中国は、メンツ丸潰れになった苦い思いがあるわけです。「そうはさせない!」と。ようするにアメリカの第7艦隊が曳航してきても、対抗できるだけの軍事力を増強していこう、ということだと思います。

飯田)日本としては、正式な国交は台湾間にありませんが、先日行われた太平洋・島サミット(PALM)も、「太平洋の国々と台湾を繋ぎ止める意味で、非常に大きな舞台だった」と指摘がありましたね。

須田)あれは定期的に継続して行われているサミットですが、国のトップが出席して、メッセージを送るという意味では、非常にいい会合だと思います。

中国は日本に公船の航路についてほぼ毎日情報提供している

飯田)東シナ海についても、特に尖閣周辺というのは、中国の公船が接続水域や領海のかなり近いところまで、あるいは完全に侵入することもある。これ、まずは海上保安庁でやるしかない。

須田)あまり報道されませんが、中国サイドは、入ってきた公船がどういう航跡を辿っているのかについて、逐一、毎日のように日本の官邸サイドに情報提供しているのです。私はその航跡を描いた情報のコピーを貰おうとして断られてしまいましたが、見たことはありますから。

飯田)中国サイドは「エスカレートさせるつもりはない」とメッセージを出している?

須田)船が増えたり領海内に入る時間が増えると、それはまた違ったメッセージになっていくわけです。

飯田)それを正確に、こちら側にも伝えたいから、そういう情報提供を?

須田)もう1つは、一触即発の状況になり、不測の事態が発生することを防ぐため。ただ、中国としては国内にも対外にもメッセージがあるし、領海や接続水域に公船を派遣することは、やり続けなければいけない。ただ、それについて不測の事態が発生しないように、と。言ってみればそういうのが外交なのです。

飯田)ある意味で鍔迫り合いみたいなものをやるわけですね。

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