日中関係改善で東アジアのパワーバランスは変化するか?

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5/7 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①

安倍総理と習近平国家主席が電話首脳会談~中身と成果は?
7:01~ガチンコ ニュース UP!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

アメリカの東アジアでの基本戦略は日中の接近を妨げること

安倍総理大臣は先週末、中国の習近平国家主席と、初めて電話で40分間会談し、南北首脳会談の評価や、今後の北朝鮮対策、拉致問題解決への協力体制について意見を交わした。日本の総理と中国の国家主席が電話会談するのは、初の出来事である。

須田)この日中の電話会談だけを見ていては、物事の本質は見えてこないと思います。東アジアのパワーバランス、外交問題を見ていくうえで、メインプレイヤーは、日本と中国、そしてアメリカです。アメリカの基本戦略というのを頭の片隅に入れてほしいのですが、アメリカの東アジアの基本戦略は日中接近を絶対に許さず、日中間に楔を打ち込むということです。
打ち込み方ですが、アメリカは必ず中国、もしくは日本と接近して、両者の離反を目指していくというのがあるのです。古い話ですが、クリントン政権時代にアメリカは中国との接近を果たし、米中蜜月と言われていて。「日本だけがパッシングで無視されている」みたいな言われ方、よくしましたよね。これがブッシュ政権になると、むしろ日米枢軸みたいな流れになった。そして、現在はどうなのか考えてみると、日本は非常に微妙な立場に置かれていますが、やはり日米枢軸になっているわけです。

飯田)トランプ・安倍体制ですね。

あくまで米中関係が軸~その影響を受ける日本

須田)日米中の三角関係は、中国も意識していますからね。中国も日本と接近したい。いま米中間はいろいろな問題がある。台湾問題とか、貿易摩擦とかで緊張状態にある。だから、中国としても日本の取り込みに入っているみたいな見方をした方がいいと思います。
米中関係が軸になっていて、日本はその変数でしかないのです。それによって影響を受けるから、今後ずっと日中がいい方向に行くかは分からない、ということです。

飯田)日本としては、そんなに接近しすぎない方がいい、ということですか?

須田)そこは是々非々で望むべきだろうな、と。ただ、中国が日本に接近していることは、日本にとっていい傾向ですので、対北朝鮮問題をめぐり、中国を巻き込んでいく戦略が必要なのかなと思います。
もう1つ。習近平主席が2期目に入り、体制を盤石にしましたよね。なので、国内に対する対策より、外に向かった動きが今後加速していくはずです。その点で考えると、日中関係もこれまでと違った状況になってくると思います。

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