今後の日本の外交はどうするべきか

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5/25 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!③

6月12日の米朝首脳会談の中止で明日の日露首脳会談はどうなる
7:44~ココだけニュース スクープUP!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)

今後の日本の外交はどうするべきか

定期的な日露首脳会談が持つ2つの意味

アメリカのトランプ大統領が来月12日の米朝首脳会談の中止を発表するなか、ロシアを訪れている安倍総理大臣は今日、プーチン大統領やマクロン仏大統領と共にサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに出席する。明日はモスクワに移動し、プーチン大統領と21回目の会談に臨む予定。

飯田)12日の米朝首脳会談が行われる前提で、北の非核化に向けて連携を確認する方針だと伝えられていたのですが。

宮家)連携を維持してというのは変わらないと思いますけどね。北方領土は全然返ってこないじゃないか、何の成果があるんだと言う人もいるけれども、逆に今回21回目でしょう、21回全く交渉がなかったらどうなると思いますか? 皆さん考えて下さい。恐らく北方領土の話は、もっと日本抜きで進みますよ。
日露の間で首脳会談を定期的にやるというのは2つの意味で大事だと思っています。第1には、北方領土の問題については時効を停止することです。要するに不法占拠をして何十年も経ったら俺のものだとは言わせない。時効はとめなきゃいけない、なかなか難しいですけれどね。
もう1つ、次のチャンスを待つというのは大事なことで、ロシアがいまの状況で北方領土を返さない理由はいくらでもあるのですが、絶対に返さないかというとそういうわけではないと僕は思います。外交革命という言葉があるのだけれども、簡単に言えばいままでの敵が味方になることです。1972年に中国がニクソンと田中角栄が北京に行って握手しました。関係を正常化しました。それは当時のソ連が中国にとって戦略的な脅威になったから、アメリカと日本との関係を改善したわけですよね。逆に言うとロシアにとっていまの中国が戦略的な脅威になるのであれば、そのときはアメリカとか日本との関係性を再考せざるを得なくなるのですよ。それがどういうときかというと、中国が強大化したときですよね。1年後2年後じゃないですけれど、10年後20年後を考えたら旧満州、東北3省に何億人も人がいて、反対側の極東には数百万人しかいないのだから人口圧力だけを考えたってロシアが劣勢です。それをプーチンさんに「わかっているでしょうね」と擦り込む。そういうチャンスを待つ為の準備期間でいいのではないかなと思っています。性急に結果を求めても、相手が相手だから難しいけれど、決して無駄ではないと思います。

飯田)これは10年20年の計をいまやっていると。

宮家)そうでないと向こうの思う通り時効が成立してしまって、何言っている、何も話をしてこなかったじゃないのと言われたら終わりだから。常に言って北方領土はまだ解決していない、平和条約を結ぶ為にはこれが大事だと言い続けることだと思います。

今後ロシアとどうつきあっていくか

飯田)このところ報道されていたところだと苺を共同で作るとか、海上でいろいろなものの養殖をやるとか、いろいろな話が出てきています。小さいものでもやっておくというのが重要ですね。

宮家)きっかけを作って、北方領土の問題が解決しないと国交正常化できないのだということを擦り込む以外にないのですよ。ウニであろうが苺であろうが何でもいいのです。

飯田)かつて90年代にこれは動くかな、と思ったのは経済が本当にガタガタになったときに、そうなったという。

宮家)エリツィンさんがいた頃、あのときが一番チャンスだったのかもしれませんよね。あのときはまだ新しいロシアだった頃ですね。プーチンさんはそれを見ていて、欧米はひどいと。母なるロシアは滅茶苦茶になるじゃないかということで巻き返しているわけだけれども、いいところまでいったんですけれどもね。

飯田)いま仮に経済がガタガタになったとしても、プーチン体制のロシアということを考えると、経済と引き換えに北方領土交渉を進めるみたいなのはあまり期待できないですか?

宮家)1つの可能性ではありますけれど、経済だけでは返ってこない。彼らに戦略的な判断をさせなければいけないけれど、それができないのは何故かといったら、ロシアにとっても中国にとってもアメリカは敵だから。敵の敵は味方なわけですよね。その状況が少し変わってくると、日露の関係も変わってくる可能性がある。そのチャンスを待ちましょうと。何十年でも待ちましょうと。

飯田)中国にとってはあそこの東北部の先のところに、海に出る出口がないじゃないですか。あそこは是が非でも欲しいというのはあるわけですか?

宮家)だけどあそこは寒いところですし、中国は南にいっぱい港があるので。それよりも朝鮮半島を自分の勢力下に置いて、ロシアからの脅威をこれ以上何かをさせない。そして朝鮮半島で思い通りにさせたくないという気持ちが立地的にはあると思います。

飯田)その辺に我が方としては付け入る隙があると。

宮家)それは外交としては鉄則、敵の敵は味方なのですが、やはりタイミングを待つというのは大事だと思います。

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